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  1. 荒川区議会 2021-06-01
    06月22日-01号


    取得元: 荒川区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    令和3年度定例会・6月会議荒川区議会会議録(第一日)=============一、日時 令和三年六月二十二日 午前十時一、場所 荒川区議会議場一、出席議員(三十二名)  一番 山田晴美君  二番 小坂英二君  三番 夏目亜希君  四番 宮本舜馬君  五番 相馬ゆうこ君  六番 北村綾子君  七番 小林行男君  八番 横山幸次君  九番 斉藤邦子君  十番 小島和男君 十一番 土橋圭子君 十二番 鎌田理光君 十三番 町田 高君 十四番 中島義夫君 十五番 菅谷元昭君 十六番 明戸真弓美君 十七番 茂木 弘君 十八番 並木一元君 十九番 斎藤泰紀君 二十番 北城貞治君二十一番 志村博司君二十二番 河内ひとみ君二十三番 藤澤志光君二十四番 久家 繁君二十五番 竹内明浩君二十六番 清水啓史君二十七番 山口幸一郎君二十八番 増田峰子君二十九番 森本達夫君 三十番 菊地秀信君三十一番 松田智子君三十二番 保坂正仁君一、欠席議員(なし)一、出席説明員区長  西川太一郎君副区長  佐藤安夫君副区長  北川嘉昭君総務企画部長  五味智子君総務担当部長  小林直彦君区政広報部長兼全国連携担当部長  米澤貴幸君管理部長  梅原一彦君区民生活部長  阿部忠資君地域文化スポーツ部長  古瀬清美君産業経済部長  石原久君環境清掃部長  池田洋子君福祉部長  片岡 孝君健康部長  石原 浩君健康推進担当部長新型コロナワクチン調整担当部長  東山忠史君子ども家庭部長  青山敏郎君防災都市づくり部長  松土民雄君再開発担当部長都市計画担当部長  松崎保昌君教育長  高梨博和君教育委員会事務局教育部長  三枝直樹君一、職務のため出席した事務局職員事務局長  濱島明光庶務係長  小原 実議事係長  伊藤智徳企画調査係長  細井貴洋主任  小川充彦主任  宮澤 建主任  山本麻由来主事  松元 翼議事日程 令和三年六月二十二日 午前十時開議第一               一般質問について           午前十時開議 ○議長(菅谷元昭君) ただいまより六月会議を開きます。 六月会議の会議期間は、本日から七月八日までといたします。 この際、区長より発言の申出がありますので、これを許可いたします。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 令和三年度荒川区議会定例会・六月会議の開会に当たりまして、一言挨拶を申し上げさせていただきます。 六月会議には、令和三年度荒川区一般会計補正予算など重要な案件を多数御提案申し上げております。どうぞよろしく御審査を賜りますようお願い申し上げます。 時節柄、議場においでの議員の方には、十二分に御健康にお気をつけくださいますように、また、今日、傍聴や取材にお見えいただいております皆様にも、十二分に御健康にお気をつけくださいますように心からお祈りを申し上げます。 それでは、どうぞよろしくお願い申し上げます。今日はありがとうございます。 ○議長(菅谷元昭君) 出席、欠席議員数を報告いたします。出席三十二名、欠席なしでございます。 六月会議の会議録署名議員を定めます。本件は、会議規則第百二十条の規定により議長より御指名いたします。        三  番 夏 目 亜 季 議員        十 七番 茂 木   弘 議員        二十七番 山 口 幸一郎 議員 以上三名の方にお願いいたします。 日程第一、一般質問について。 ─────────────── ○ ─────────────── △一般質問について ○議長(菅谷元昭君) 一般質問の通告がありましたので、順次発言を許可いたします。 十七番茂木弘議員。   〔茂木弘君登壇〕 ◆十七番(茂木弘君) 自由民主党荒川議会議員団の茂木弘でございます。 質問の機会をいただきました同志の皆様にも感謝を申し上げたいと思います。 質問が多岐にわたっておりまして、なかなか時間的にも厳しいかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、早速、質問に入らせていただきます。 初めに、新型コロナウイルスについてお聞きしたいと思います。 新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから、早くも一年半がたちました。私たちの経験したことのないパンデミックという状況になって、社会も大きく変化しています。この間、国や都も、もちろん荒川区も感染拡大防止に力を入れてこられました。特に現場で対応されました区当局は大変な御苦労をされたと思っています。御努力に対し、敬意を表し、感謝を申し上げます。 また、私たち自由民主党荒川議会議員団の数々の要望も積極的に取り入れられまして、反映をされたことも感謝を申し上げます。また当初、集団接種でスタートされたこともよかったのではないかなと思っております。 荒川区はワクチン接種が遅い、接種券の配付も遅いとか、区民の苦情も多くあったと思います。しかし、荒川区は正直に対応し、区民の混乱を避けるための対策をきちんと考えていたと思っています。接種券も区民に対し順番に配るという予定だったはずです。事前に何の話もなく大規模接種会場を開設したりして、一部混乱を招いたのは国や都の責任でもあると考えています。急な対応を余儀なくされた区当局は大変だったと思います。 スタートは少し遅かったかもしれませんが、接種は順調に進んでいます。評判もすこぶるよいようで、椅子に座っていれば接種の人が回ってきてくれる、動かないで済んでとても助かったという声も聞いています。もっとマスコミにもアピールをしてほしいと思います。遅いとか駄目だとかいう報道ばかり聞いていると頭に来ます。 恐らく高齢者接種が完了するのは、二十三区でも早いほうになるだろうと思っています。ワクチン接種も進み、現在は少し落ち着いてきた感じもしますが、まだ収まっていませんし、また新たなウイルス感染がいつ起こるか分かりません。今回のコロナウイルスを教訓として、今後に生かすことも考えていただきたいと思います。 基礎疾患のある方の予約申込みも始まり、十四日から個別接種と訪問接種も開始されました。医院、医師の御都合もあるでしょうが、接種できる医院が限られています。医院としても、会ったことのない全く初めての方に接種することには抵抗もあるでしょうし、心配もあると思います。しかし、ふだんからかかりつけ、自分の体をよく知っている医師に接種してもらえれば安心だと思うのは当然のことです。 今回、かかりつけ医の大事さが新たに感じられました。若い人は病気になることも少なく、かかりつけ医がないという人も多いと思いますが、病気になったらすぐに大病院に行くのではなく、近所の医院で診ていただき、必要な場合、大病院を紹介していただくような形になれば、大病院の混雑緩和や医療費削減にもつながると思います。区としても力を入れていくべきと考えます。 また、今回と同規模の集団接種を来年度以降も継続していくことは難しいと思います。個別接種で対応できる体制をいかに構築するかという観点も重要です。今から将来を見据えた個別接種の体制づくりを進めていくべきと考えます。区の見解をお聞きします。 また、職域接種については、会場の増設、対象には介護等に従事される方や清掃作業、リサイクル等に従事されている方を加えることも要望しておきます。 また、昼間は受けにくい人のための夜間接種についても、早急に検討されることを併せて要望いたします。 また、芸術、文化、スポーツにも大きな影響を及ぼしています。コロナ禍の中で、今までのような活動もできず、苦労されています。講座や大会もできず、運営費にも苦労しているとの話も聞きます。区としても、昨年は文化団体、体育協会にコロナ対策支援金を出されました。また、サンパール荒川日暮里サニーホール等の使用料金を免除するとの支援策も行いました。本年度もぜひ同様の支援をしていただきたいと思いますが、区の見解をお聞きいたします。 また、高齢者の中には、コロナによって外出する機会が減り、人と会う機会も少なくなっています。家にばかりいるため、体を動かすことも減り、気力、体力共に低下する、いわゆるコロナフレイルの状態になった方が急増しているという話も聞きます。また、感染に対する不安や行動制限に伴うストレスでコロナ鬱などの精神面での不調の方が若年層に影響を現しているとも言われています。 こうした中で、昨年九月にも質問しました多世代交流の重要性、多世代が集う居場所づくりの意義がますます大きくなってきたと考えています。 感染予防策に力を入れて活動を続けて成果を上げている団体もあります。高齢者も若い世代、子どもたちと触れ合い、元気が出たりしています。子どもたちにもよい影響が出ています。 所管が異なっている部分もあり、難しい面もありますが、厚生労働省も多世代交流の支援を行うと言っています。区としても積極的に取り組むべきと考えますが、見解をお聞きいたします。 次に、産業振興の立場で質問いたします。 長引くコロナ禍で区内の事業者も苦境に立たされています。売上は大きく落ち込んでいるが、半減まではいかず、協力金の対象にならなかった事業者も多いことと思います。 東京都でも、一か月の売上減が三割以上五割未満の中小企業者や個人事業主に支援策を打ち出しましたが、時期としても遅い感があり、また金額も十分ではないと不満の声も聞こえています。 このたびの補正予算では、融資あっせん制度の受付期間を年末まで延長するための予算が計上されています。評価していますが、この機会に廃業を選択する事業者も多くいます。 全国では、令和二年度中の倒産件数は八千件を下回り、少ないように見えますが、休廃業は五万件に迫り、平成十二年の調査開始以来、最多となっています。背景には、自身の高齢化や後継者問題等あるかと思いますが、周辺に迷惑をかけないうちにソフトランディングを目指しているという人も多いと思います。これからもますます増加すると考えています。 また、廃業までいかないけれども、業務形態を変更して事業を続けようとしている方も多いと思います。区としての支援を具体的に考えるべきと思いますが、区の見解をお聞きいたします。 次に、日暮里活性化施設ふらっとにっぽりについてお聞きします。 日暮里繊維街は、区内随一の区外から買物客、観光客が集う商店街です。しかし、コロナ禍の中、外国人観光客も激減し、売上も減少しています。ふらっとにっぽりは、繊維街の活性化、日暮里地域の活性化のための施設と考えています。 ふらっとにっぽりの活用、集客については、まだまだできること、やるべきことがあると考えています。以前から幾つかの提案もさせていただきましたが、今回もまた提案をさせていただきます。コロナ禍の中では難しいものもありますが、真剣に積極的に御検討いただきたいと思います。 初めに、繊維街にはまずトイレがありません。休憩場として利用できることをもっとアピールしてほしいと思います。繊維街のパンフレットにその旨の記載をするのはいかがでしょうか。ぜひ御検討いただきたいと思います。 また、ファッション雑誌や専門書を置いたらよいと思っています。人は情報のあるところに集まると言われています。その書籍を目当てに訪れる人も見込めます。三階には週何日か置いてあるようですが、やはり一階がよいと思います。 次は、大階段の活用です。ファッションショーミニコンサートを前向きに検討していただきたいと思います。また、ピアノを置いて、まちなかピアノとして楽しんでいただき、雰囲気を盛り上げるというのもよいかと思います。 さらには、展示スペースとしての活用です。ゆいの森あらかわや1─1─1ギャラリーのような展示を行うというのはいかがでしょうか。日暮里ファッションショーの展示をしたり、子どものデザイン画などの展示が考えられると思います。いつ行っても何か面白いことをしているという形をぜひつくっていただきたいと思います。 また、買物をするのに荷物を預けられるロッカーも欲しいという声も聞こえています。 すぐにできること、難しいこともあるかと思いますが、区の考え方、見解をお聞きします。 次に、財政についてお聞きします。 私たち自由民主党荒川議会議員団では、かねてから財政フレームの策定とサンセット方式の導入が必要だと強く要望してきました。区において、これらの取組を始めたことは評価しています。 先日、緊急事態宣言から蔓延防止になりましたが、大きな違いはなく、区民に我慢を強いることや事業者の厳しい状況は変わりません。 昨年の区民税は大きく落ち込みはしませんでした。しかし、東京都の税収は予想より落ち込みが少ないとはいえ、二千八百億円落ち込みました。来年度はより落ち込む可能性もあり、都の財政状況も心配です。 このような状況を踏まえると、財政フレームの役割が大きくなったと感じます。特に心配なのは、財政フレームの期間に入っていない学校の建替え、区庁舎の建設に関する経費の負担です。今後の大きな財政需要に備え、基金の積立てをさらに強化する必要もあります。現段階で考えられる諸条件を反映させ、財政フレームの改定も行うべきと考えますが、区の見解をお聞きします。 同時に、サンセット方式の進捗についてもお聞きします。 サンセット方式については、二百八十の事務事業について、休止、完了の判断をしていると聞いています。本来の目的である全庁的な取組を行い、より多くの事業を見直し、不要となる経費をできるだけ大きくすることを目指していただきたいと思います。この際、二百八十以外にも広げてほしいと思います。例えば財政負担の大きい事業などを取り上げ、重点的に点検してみるのはいかがでしょうか。 一方でサンセット方式は、休止、完了の数や不用額のみが目的ではないと考えています。それぞれの事業の在り方について、担当職員が本当に事業を継続する必要があるか否かという観点からしっかりと検討し、課題を把握することで、仮に休止、完了にならなくても、その事業がより充実し、区民サービスの向上につながれば、それも一つの成果と考えています。職員一人一人が強く意識することを徹底していただくようにお願いをいたします。 また、私たち自由民主党荒川議会議員団が主張してきました公会計制度ですが、あまり活用されていないようにも見えます。サンセットの実施に当たっては、公会計制度も活用して、個々の事業ごとに適切な判断をしていただきたい。現在のサンセットの進捗状況、総合的な歳出の抑制及び財源確保等について、区の見解をお聞きします。 次に、まちづくりについてお聞きします。 西日暮里再開発については、私も折に触れて様々な意見、提案を行ってきました。西日暮里再開発がよりよいものとなること、地域の活性化、荒川区の活性化につながる再開発に期待もしています。区議会においても、二月会議において、五十八本の陳情審査、採決を行い、推進に向けての結論が出たところです。区の都市計画審議会も通り、十八日には都の都市計画審議会も通り、いよいよ本格的に動き出そうとしています。 地元の人々からも、一つハードルを超えたことに安堵の声が上がっていますが、事業化に向けてはこれからが最も重要な時期であります。地権者の皆さんに対しても、事業の内容を丁寧に説明して、事業がスムーズに進むよう努力をお願いいたします。今後のスケジュールについてお聞きをいたします。 次に、商業施設についてお聞きします。 私は、評判のよくない日暮里再開発の商業施設を考えると、商業施設の大事さを痛感しています。 高層マンションを造って売るだけならば、誰でもできます。面白い、楽しいと感じられない魅力のない商業施設には人は集まりません。にぎわいのある駅前になることを心から期待をしています。 再開発が成功し、周辺にもよい影響を与え、面としての活性化につながるようにしてほしいと思います。今回は絶対に成功しなければなりません。もし思うような成果がなければ、荒川区の将来はないと思います。そのためには、力のある商業コンサルが絶対に必要です。また、事業成功の鍵を握る商業施設に対しては、区も最大の地権者としてしっかりと関わり、にぎわいのある施設にしていただきたいと思います。 日暮里再開発は地権者ではありませんでしたが、今回は違います。成功すれは、地権者として持つ床の価値も上がると思います。 区民の貴重な財産である区有地を使っての再開発です。思ったようにいかなかったでは済まないと思います。区の所有になる文化交流施設については、区議会でも今後議論されると思います。今回は細かく触れることはできませんが、区が管理するより有力な民間に利用してもらうことも一つの考え方だと思っています。 いずれにしても、区も重大な覚悟を持って取り組んでいただきたい。区の見解をお聞きします。 次に、補助九十二号線についてもお聞きします。 昨年九月の一般質問のときには、補助九十二号線のうち、西日暮里三丁目の区間は東京都が廃止の手続中であり、一方で、西日暮里四丁目の区間は優先整備路線ではあるものの、東京都に動きはなく、整備のめどは立っていないとの答弁でした。 道路の計画線のある地域では反対の人が多いと思いますが、一部賛成の方もいらっしゃいます。公共事業は、地元の方々の理解と協力があってこそ進めることができると思います。区が地域の方々の理解が得られるよう丁寧に説明すること、理解が得られないうちは測量にも着手しないよう、事業者である東京都に要望し続けていたことは承知をしています。 現在まで測量もできず、工事に入ることは困難な状況だと思います。東京都も困難だと感じているのではないでしょうか。賛成、反対どちらの方も、どうなっているのかと大変に心配されています。 このような状況の中で、今後も区のスタンスに変更はないのか、また、現在の東京都の取組について知っていること、併せて区の見解をお聞きします。 次に、地球温暖化対策についてお聞きします。 世界共通の目的であるSDGsでは、気候変動に具体的な取組をというゴールを掲げています。SDGsについては、私が代表をあずかっております東アジア政治経済研究会で行った高木教授の講演をお聞きになられた方もいらっしゃると思います。 五月二十六日、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現を明記した改正地球温暖化対策推進法が参議院本会議において全会一致で可決・成立しました。国は四月にも中期目標として、二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標を二〇一三年度比で四六パーセント削減する目標を打ち出しています。 また、内閣府が昨年末に行った世論調査では、地球温暖化対策の国際的な枠組み・パリ協定について、知っていると答えた人が八四パーセントに上り、二〇一六年の六〇パーセントから大幅に増えました。脱炭素社会の実現に向けて取り組みたいと考えている人も九〇パーセントを超えているそうです。 荒川区においても、昨年、地球温暖化対策実行計画を策定しました。この計画は、他の自治体に先駆けた内容になっていて、冒頭の挨拶で西川区長が述べられたとおり、低炭素社会から脱炭素社会への転換を明確に示したものであり、二〇五〇年のCO2排出量ゼロに向けた決意表明と受け止めています。 さらに、今年三月の予算に関する特別委員会では、我が党の志村博司委員との質疑で、環境基本条例に脱炭素社会の実現を明記する条例改正について前向きな答弁をいただいています。 また、先月の健康・危機管理対策調査特別委員会においても、エネルギー・節電対策として、公共施設での環境に配慮した電力調達について活発な議論があり、斎藤泰紀委員長はじめ各委員からも脱炭素社会の実現に向けた施策の推進について要望があったと承知しています。 こうした状況を踏まえ、今後、低炭素社会を目指すものとなっている現行の環境基本条例を早急に改正するとともに、区においても、脱炭素社会の実現を目指すことを改めて明確に表明し、区民や事業者の具体的な取組を喚起するよう、地球温暖化に特化した条例を新たに策定する必要があると考えますが、区の見解をお聞きします。 次に、障がい者支援についてお聞きします。 私たち自由民主党荒川議会議員団は、これまでも一貫して弱い立場の方々に行政の光を当てるという信念の下、福祉、子育てをはじめ様々な行政分野での具体的な提案を行ってきました。中でも障がい者に対する支援には特に力を入れてきた分野です。区として重く受け止めていただき、西川区長を先頭に、我が党の提案を基にした先駆的な取組を行っていることについては高く評価し、感謝もしております。 今後も障がい者支援、グループホームや生活介護サービスの整備、医療的ケアの必要な方への支援、障がい児保育などもしっかりと進めていただきたいと思います。 今回は、その中でも発達障がいの支援についてお聞きします。 平成十七年の発達障害者支援法の施行や平成二十八年の発達障害者支援法改正により、発達障がい者の支援に関する法整備が進み、各分野での支援も進んできました。 こうした中ですが、発達障がい者の困難は一人一人異なり、きめ細やかな対応が必要であり、保健、医療、福祉、教育など様々な分野において、関係機関のさらなる理解促進や連携が求められています。 発達障がいについて社会の認知度は高まりましたが、発達障がいや発達が気になる子どもを育てている家庭は、依然として様々な悩みや不安を抱えています。 近年、こうした家族を支援するため、同じ立場の親として必要な支援や助言を行うペアレントメンター事業が実施されており、令和三年五月現在、荒川区内で六名の方が登録をされています。 しかし、ペアレントメンターに登録されていても、実際の活動は親同士のつながりに頼り行うこととなるので、継続的に活動の場を確保できず、結果として子育てに悩む家族を支援する機会が減っているとも聞きます。また、ペアレントメンター事業自体を知らず、一人で悩んでいる方も多くいると思います。 広報も大事で必要だと思います。区としてペアレントメンター事業をさらに活用し、発達障がいの子どもやその家族に対する支援を充実すべきと考えます。区の見解をお聞きいたします。 また、私の質問と同じ考えの他会派の議員がいることも申し添えておきます。 併せて特別支援教室についてもお聞きします。 特別支援教室が始まり、各学校も努力されていることは評価しています。しかし、近年、発達障がいの方、ボーダーラインの生徒が増加し、学校としても苦労しているとの話も聞きます。拠点校も現在の四校では足りないのではないでしょうか。もっと拠点校を増やし、巡回指導にも力を入れてほしいと思っています。区の見解をお聞きします。 次に、学校教育についてお聞きします。 新型コロナウイルスの拡大防止のため、昨年度は学校も長期休業を余儀なくされ、様々な行事も中止されました。中でも子どもたちが楽しみにしている清里の移動教室も中止、中学校の修学旅行も一部学校で実施されましたが、半数以上が代替行事となってしまいました。運動会や学習発表会、水泳の授業もできなかったと聞いています。 学校行事は集団への所属感を深め、公共の精神を養い、集団生活を経験する貴重な機会と考えています。特に移動教室や修学旅行は、日常とは異なる環境や集団生活で自然や文化などに関心を持ち、積極的に取り組む態度を養うことのできる価値の高い教育活動であります。 子どもたちが楽しみにしている学校行事は安易に中止することなく、感染状況を注視しながら、どうすればできるかを前向きに考え、可能な限り実施してほしいと思います。 例えば移動教室ならば、バスが密になるならば、台数を増やす、宿泊施設が狭いならば、複数の学校の同時進行はやめて、単独で人数を減らして行うとか対応策はあるというふうに思います。もしそれでも無理ならば、日帰りでも代替でもよい企画を行ってほしいと思っています。区の見解をお聞きします。 また併せて、オリンピック・パラリンピックの児童観戦についても確認をしたいと思います。 私個人としては、現在のコロナウイルスの状況の中では、今回の東京オリンピックの観戦は難しいと考えています。また、感染拡大につながることも心配をされています。しかし、もし感染予防がしっかりとされ、安全に観戦できる状況になれば、子どもたちに貴重な体験としてオリンピック観戦をさせてあげたいとも思っています。 恐らく一生一度の機会です。慎重な判断が必要だし、課題も多いことと思いますが、保護者の皆さんも心配をされています。実施の可否を含め、現在の教育委員会の見解をお聞きいたします。 以上で私の一回目の質問を終わらせていただきます。ぜひ前向きな御答弁をお願いいたします。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 茂木弘議員の御質問にお答え申し上げます。 まず私からは、地球温暖化対策に関する御質問に答弁を申し上げます。 世界は今、気候変動による危機的な状況に直面いたしております。 今月、イギリスで開催されましたG7サミットにおきましても重要な議題の一つとなりましたことは、報道等を通じて、議場の議員方、十分御承知のことと存じます。 二〇五〇年まで温室効果ガスの排出量の実質的なゼロという目標に向かっての努力が確実に実施されますように、努力を世界中で重ねていかなければならないと考えております。 この目標の達成につきましては、国レベルでの取組だけではなくて、日常生活のいろいろな部分につきましても、国民の皆様、区民の皆様、また、世界有数の都市である東京都民の皆様、重なるわけでございますが、みんなでこれに向かっての努力を欠いてはならないというふうに思っているところでございます。 住民の皆様にとって最も重要な基礎自治体でございます私ども荒川区をはじめとしたこうしたセクターにおいても、十分に配慮して、区民の皆様の御協力をいただきながら、同時に、区民の御健康をしっかりお守りし、そして地球温暖化の対策が確実に推進されていくために、私どもは、環境基本条例の改正を速やかに行うことが極めて大切であると。区民の皆様、そして事業者の皆様方の参画をしっかりと確保した環境の下で、具体的な実効性のある施策をしっかりと行っていかなければならないと思います。 新たな条例の制定ということもしっかりと視野に入れて準備を進めておりますが、これにつきましてもスピードアップをしていかなければいけないと思います。 区といたしましては、二〇五〇年までに、ぜひ脱炭素社会の確実な実現の方向に向けての努力を行い、これらをしっかりと実現していくことを強く決意をする必要があるというふうに思います。温暖化対策の一層の充実が何より大切であると存じております。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者の答弁とさせていただきます。 いずれにいたしましても、大変重要な御指摘をいただきました。議場においでの議員方、理事者の諸君とともに、力を合わせて、区民のお幸せのためにしっかり努力をしてまいりたく存じます。御質問、大変ありがとうございました。   〔教育長高梨博和君登壇〕 ◎教育長(高梨博和君) 初めに、特別支援教室の拠点校に関する御質問にお答えいたします。 特別支援教室は、知的障がいはないものの、情緒障がい等で特別な指導が必要な児童・生徒に、通常の学級に籍を置いたまま継続して専門的な支援を行うものであり、区では、平成二十九年度から全小学校に、そして今年度から全中学校に特別支援教室を設置し、巡回教員が巡回指導を行うこととし、子どもたちは在籍校において教育ニーズに合った指導を受けられるようになってございます。 その中で、議員御指摘のとおり、特別支援教室を利用する児童・生徒が増え、学校間の移動ロスが顕在化するとともに、教員の人数が増え、拠点校における教員組織が肥大化するなどの課題が生じていることも事実でございます。教育委員会といたしましては、御提案の趣旨を踏まえ、特別支援教室の拠点校の増設など、特別支援教育のさらなる充実に努めてまいる所存でございます。 次に、コロナ禍における学校行事の在り方に関する御質問にお答えいたします。 子どもたちは、一日一日が生きる力を育む貴重なときであり、教育委員会といたしましては、たとえコロナ禍にあっても教育を止めてはならないと認識してございます。その上で、学校行事の実施の可否につきましては、子どもたちの安全を最優先に考え、判断しているところでございます。 御質問にありました移動教室につきましては、感染状況を鑑み、移動・宿泊を伴うことから、リスク等を考慮した上でやむなく二学期に延期したところでございます。 移動教室は、日常とは異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、集団生活や道徳マナーなどについて体験できるまたとない機会となってございます。また、下田臨海学園、中学校の修学旅行、小中学校のワールドスクール等についても、日々の教育活動では得られない様々な体験を積むことができると考えてございます。 教育委員会といたしましては、貴重な御提案を踏まえ、学校行事を安易に中止とするのではなく、感染状況を十分に見極め、校長会と協議を重ねながら、それぞれの行事について実施の可否を判断するとともに、やむなく中止せざるを得ない際にも、代替行事等の実施について、臨機応変に対応してまいりたいと考えてございます。 続きまして、オリンピック・パラリンピック学校連携観戦に関する御質問にお答えいたします。 オリンピック・パラリンピック観戦は、東京都教育委員会が推進してまいりましたオリンピック・パラリンピック教育の集大成であり、子どもたちにとって生涯の思い出となるような事前・事後学習を実施・計画してございます。 一方で、議員御指摘のとおり、観戦の実施に当たっては、コロナの感染予防に加え、熱中症対策や引率者の確保、交通手段の確保等の課題がございます。熱中症対策としての冷却タオルの準備や子どもたちの移動を補助していただく方々への交通費等について考慮すべきものと考えてございます。 区教育委員会といたしましては、現時点におきましては、東京都教育委員会からの具体的な通知を待っているところであり、今後示される都の通知内容を踏まえ、新型コロナウイルスの感染状況を十分考慮した上で、子どもたちの幸せを第一に考え、学校連携観戦の実施の可否について適切に判断してまいりたいと考えてございます。   〔新型コロナワクチン調整担当部長東山忠史君登壇〕 ◎新型コロナワクチン調整担当部長(東山忠史君) 将来を見据えた新型コロナウイルスワクチンの個別接種の体制づくりに関する御質問にお答えいたします。 区では、新型コロナウイルスワクチンの接種準備が整った病院、診療所等で接種する個別接種、在宅要介護者等の自宅へかかりつけ医等が訪問して接種を行う訪問接種につきまして、区内の医療機関の御協力をいただき、御案内のとおり六月十四日から開始いたしました。 個別接種につきましては、現在二十五の医療機関が実施しているほか、かかりつけ患者を中心に接種を実施している医療機関を合わせますと約八十五機関となってございます。 二回目のワクチン接種後の効果の持続期間につきましては、研究途上であることから、その後の定期的なワクチン接種の見通しは不明な状況ではございますが、一般的に予防接種は医療機関で実施されるものであることから、個別接種の実施体制が基本となっていくものと認識しております。 区といたしましては、御指摘の趣旨を十分に踏まえ、荒川区医師会と密接な連携の下、かかりつけ医制度の一層の推進も含め、将来を見据えた個別接種体制の強化を図ってまいります。   〔地域文化スポーツ部長古瀬清美君登壇〕 ◎地域文化スポーツ部長(古瀬清美君) 芸術文化活動の支援に関する御質問にお答えいたします。 区では、ホールなどの施設使用料を補助する芸術文化活動支援事業を昨年七月から実施し、芸術文化活動を支援するほか、文化団体並びにスポーツ団体に対する緊急支援も併せて実施し、区民が芸術文化に触れる機会の確保に努めてまいりました。 本支援事業を活用して、五団体、十九公演が開催されるとともに、緊急支援では、十四の文化団体と二十二のスポーツ団体が助成を活用し、感染防止対策を行ったところでございます。 今年度におきましても、区といたしましては、芸術文化活動支援事業並びに文化団体、スポーツ団体への緊急支援を継続し、芸術文化の振興を図るとともに、区民の活動を支援してまいります。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 高齢者を含めた多世代が集う居場所づくり等に関する御質問にお答えいたします。 地域において世代を超えた人と人とのつながりをつくっていくことは、区民の支え合いの輪を広げていく大変重要な取組であると認識しております。 ふれあい粋・活サロンや住民主体の活動の中には、多世代が集う居場所として機能している活動があり、区では補助事業を通して活動の支援を行ってまいりましたが、こうした活動のほとんどがコロナ禍において中止・縮小している状況にございます。 今後、各種団体の活動再開に向けた区の支援については、団体の方の声をお聞きしながら検討してまいります。併せて、多世代の居場所の安定した運営や活動の充実につながる支援についても、さらに研究を進めてまいります。 次に、ペアレントメンターを活用した発達障がいの子どもや家族に対する支援の充実に関する御質問にお答えいたします。 発達障がいや発達が気になるお子様のいる家族は、日常生活の中で様々な悩みや不安を抱え、またそれを話せる相手がいないことが多く、そうした家族の思いに寄り添った支援が大変重要と認識しております。そのため、区では、たんぽぽセンターにおいて、これまで東京都が実施するペアレントメンターの養成及び派遣事業を周知することで担い手を増やすとともに、東京都の事務局などと連動しながら、活動の場を含め、具体的な内容を検討してまいりました。 今年度、たんぽぽセンターでは、発達障がい特性のある子どもの家族などを対象に、ペアレントメンターによる養育相談会を開催し、子育てを応援する機会を増やしてまいります。また、制度のさらなる周知とペアレントメンターの実践事例を広げていく考えでございます。 今後ともペアレントメンターの皆様の御協力を得ながら、発達障がい特性のある子どもとその家族への支援を充実してまいります。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) まず、アフターコロナの産業支援に関する御質問にお答えいたします。 区では、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、事業継続のための支援を実施してまいりました。特に資金繰り支援を積極的に行った結果、企業倒産件数は減少傾向となっております。 その一方、議員の御質問にもございましたとおり、このコロナ禍を契機に、取引先等に迷惑をかける前の余力があるうちに廃業を選択するなどの事業者が増加しており、その結果、昨年の休廃業件数は、統計開始以降最多の件数となっております。 休廃業に向けた支援につきましては、平成二十七年度から次世代のバトンタッチ支援事業を開始し、事業承継支援とともに、事業者や取引先を含め、円滑な事業終了に向けた取組を行っており、早い段階で余力を残して廃業する際にも支援ができるようにしております。 特に今年度からは、事業の継続か廃業かを悩んでいる事業者に対して寄り添った支援を行い、結果として廃業を選択されることになった場合には、円滑な廃業ができるよう支援を強化してまいります。 また、アフターコロナを見据え、新しい日常に適合した事業や将来性のある事業へ転換することを検討されている事業者も一定数あると認識しております。 今年度から、国において業態転換等の事業再構築や事業承継に向けた支援策を実施しております。事業再構築補助金では補助率三分の二、上限八千万円、事業承継・引継ぎ補助金では補助率三分の二、上限八百万円の補助制度となっており、事業継続に向けた資金調達手段としても大変有効な補助となっております。 区といたしましては、こうした支援を区内事業者が受けようとする際に、区の企業相談員の派遣や金融機関等の関係機関との連携による支援を最大限活用し、議員の御質問にもございました区内中小事業者の事業継続支援について、積極的にサポートしてまいります。 次に、ふらっとにっぽりの活用に関する御質問にお答えいたします。 日暮里地域活性化施設ふらっとにっぽりは、日暮里区民事務所の建替えに合わせて令和三年一月に開館いたしました。開館当初から現在に至るまで、国の緊急事態宣言下における感染拡大防止のための区施設利用制限を継続しており、開館後約五か月間での来館者数は、区民事務所利用者も含めて約一万人、多目的スペースの利用者数は延べ約千人にとどまっております。 御質問のふらっとにっぽりの活用につきましては、議員御指摘のとおり、繊維街を訪れた方が気軽に立ち寄って休憩していただけるよう、一階のおもてなしスペースを活用した展示を充実してまいります。 また、新型コロナウイルス感染症が一定程度収束した折には、地元町会や繊維街の御意見も頂戴しながら、例えばサンデーコンサート等の名称をつけた文化芸術活動の定期開催や、繊維街と連携したイベントなど、施設のコンセプトに基づき、地域と一体となって盛り上げる役割を担ってまいります。 区といたしましては、日暮里駅の観光案内所とも連携し、外国人観光客をはじめ、日暮里を訪れる人の増加を見込んだ対応を取ってまいります。 施設への誘客やにぎわい創出の役割を果たす創作スペース、工房の運営事業者、創業支援施設入居者とも十分な協力体制を構築し、区における貴重な産業及び観光資源である繊維街の魅力を十分に発揮できるよう、ふらっとにっぽりを運営してまいる所存です。   〔総務企画部長五味智子君登壇〕 ◎総務企画部長(五味智子君) まず、財政フレームに関する御質問にお答えいたします。 財政フレームについては、昨年九月に策定し、今年一月には策定後の状況の変化を踏まえた改定版をお示ししたところでございます。 財政フレームの策定により、全庁的に財源不足に対する危機意識も高まり、行財政改革の取組の際の重要な指針となっております。 今後も想定される厳しい財政状況の中で、真に必要な区民サービスを適切に提供していくためには、直近の社会経済情勢等を勘案し、改めて財政フレームを見直していく必要があると考えております。 現在、令和二年度決算の集計中ではございますが、歳入が当初の想定ほど落ち込まなかったことに加え、効率的な予算執行などで歳出を抑制したことにより、想定よりも収支の悪化が小幅にとどまる見通しとなっております。 しかしながら、さらなる新型コロナウイルス感染症対策の強化、小学校の三十五人学級への対応など新たな歳出要因が発生していることや、財政調整交付金や特別区税が令和三年度以降減収する見通しになっていることなど、依然として財政環境が予断を許さない状況であることには変わりはございません。 また、御指摘いただいたように、小中学校の順次建替えや庁舎の建設等の今後の大規模な財政需要への対応として、計画的に基金を積み立てていくことも必要でございます。 いずれにいたしましても、直近の状況を踏まえ、財政フレームの見直しを鋭意進め、議会に御報告いたしたいと考えております。 次に、サンセット方式等に関する御質問にお答えいたします。 区では、毎年全ての事務事業を対象として行政評価を実施し、一定の成果を上げてきたところでございます。これに加え、これまでいただいてまいりました議会からの御意見を踏まえ、業務改善の視点を積極的に取り入れ、これまでより大幅に踏み込んだ改善・見直しを進めているところでございます。 さらに、クラウドファンディングの活用など、新たな自主財源の確保策につきましても、具体的な検討を進めております。 御質問のサンセット方式については、事業の見直しの新たな手法として導入し、現在対象となる二百八十の事務事業について、所管する各部において、公会計制度を活用したフルコストによる分析結果等も踏まえ、それぞれ具体的に休止・完了の可否について検討を行っているところでございます。 今回、区の裁量で休止・完了の判断を行える可能性のある事業について、サンセット方式を導入したことにより、職員の意識を改め、政策の目的を達成するという原点に立ち返った検討を進めることができていると考えております。 今後、その結果につきましては、先ほどの財政フレームとともに議会に御報告する予定でございます。 また、行政評価の改善・見直しや、現在の条件に基づいて実施するサンセット方式のみでは、今後見込まれる財源不足への対応が十分とは言えない状況も想定しておく必要がございます。 サンセット方式の対象外とした事業についても、区の財政負担の大きい事業などに対してさらに踏み込んで見直しを行うという議員の御提案については、示唆に富んだものであることから、サンセット方式と併せて検討を進めていきたいと考えております。 区といたしましては、今後もこうした取組を確実に積み重ねていくことにより、引き続き健全な財政運営に努めてまいります。   〔再開発担当部長都市計画担当部長松崎保昌君登壇〕 ◎再開発担当部長都市計画担当部長(松崎保昌君) 西日暮里再開発に関する御質問のうち、今後のスケジュールに関する御質問にお答えいたします。 西日暮里駅前地区の再開発につきましては、御党をはじめ、議会から多くの熱い御支援をいただき、六月十八日に都市計画決定という節目を迎えたところでございます。 今後は、次のステップである再開発組合設立に向け、様々な検討を進めていくことになり、特に権利や補償等を含めた事業の詳細な内容を権利者の方々に十分御理解いただくためには、これまでにも増してより丁寧に説明していく必要があります。 そのため、準備組合では、より多くの方々の理解を得て円滑に事業を進めるための取組を、当初の予定よりも一年ほど長く時間をかけて行い、令和五年中の組合設立、令和七年中の工事の着手を目指したい旨の意向を示しており、区としても同様に考えております。 次に、商業に関する御質問にお答えいたします。 商業施設につきましては、当再開発のにぎわいの核となるものと区も考えております。現在は、床取得者の選定に向けて、準備組合が商業構成イメージの策定作業を進めているところでございます。 区といたしましては、この商業施設が近隣住民の日常生活を支えるとともに、広域からも集客できる魅力的な施設になることを期待しているところでございます。 施設の運営方法につきましても、過去の再開発の反省を踏まえ、事業者が全体の床を取得し、コンセプトの統一や店舗の入替えを一体的にコントロールする形態を考えており、魅力とにぎわいが継続する工夫をしてまいります。 さらに、商業施設やコンベンションホールと同じ建物に区の文化交流施設を整備することから、これらの相乗効果が発揮されることを目指し、文化交流施設の目的や機能に関する議論を踏まえた商業構成となるよう働きかけをしてまいります。 このようなにぎわいの創出のほか、本地区では、駅前広場等の都市基盤や都市型住宅の整備を予定しており、特に住宅の整備に当たりましては、幅広い年齢層が住み続けられる様々なタイプの住戸を設け、各世代のバランスが取れた構成となるよう、これまでも準備組合に要請してまいりましたが、この要請は今後も継続してまいります。 区といたしましては、西日暮里駅前地区の再開発が荒川区全体の発展につながるよう、準備組合とともに駅前にふさわしいにぎわいのあるまちを目指し、積極的に取り組んでまいります。 次に、補助九十二号線の状況に関する御質問にお答えいたします。 補助九十二号線は、東京都施行の都市計画道路であり、このうち西日暮里四丁目の区間は、平成二十八年三月に策定された東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)において、優先整備路線に位置づけられております。 議員御指摘のとおり、地元では多くの方が反対されている状況にあり、現在のところ、東京都としての大きな動きはございません。 また、最近の動きとして、同じ補助九十二号線の北区中里の区間におきまして、東京都が令和三年三月に都市計画道路の事業認可を取得いたしました。この事業において、東京都はJR東日本の協力の下に、山手線をまたぐ橋梁の設置を予定しております。 区といたしましては、引き続き補助九十二号線に係る他区の状況を注視するとともに、これまでと同様に東京都に対し、地元の皆様の理解が得られるよう丁寧に説明することを要望してまいります。 ○議長(菅谷元昭君) 茂木議員、残り一分三十秒です。 ◆十七番(茂木弘君) 時間がないようですので、自席で失礼いたします。 おおむね前向きな御答弁をいただいたのかなというふうに思っております。まだまだ多少不満の部分もございますが、それにつきましては、今後の委員会等で質疑をさせていただきましたり、また、私と同じ考えを持っている者に御意見等もいただきながら、いずれにしましても、荒川区の将来のために大切な質問させていただいたと思っております。今後とも御努力賜りますようにお願い申し上げまして、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございます。 ○議長(菅谷元昭君) 茂木弘議員の質問を終わります。 二十九番森本達夫議員。   〔森本達夫君登壇〕 ◆二十九番(森本達夫君) 私は、公明党荒川区議会議員団を代表して質問をさせていただきます。 我が党はこれまで、防災・減災を政治、社会の主流にと掲げ、命を守る政治を進めてまいりました。西川区長の「災害で一人の犠牲者も出さない」との思いと完全に一致するものであり、私たちも全力で取り組んでまいります。 私たちは、コロナウイルス感染拡大も災害と捉え、防災・減災の観点から、大きく二項目にわたり質問をさせていただきます。 一つ目の質問として、防災・命を守る行政について、二点お聞きいたします。 一点目は、災害弱者対策を含めた豪雨など水害・災害対策の準備、強化についてであります。 近年、地球温暖化の影響により雨量が増加し、各地で甚大な被害が発生しております。また、いつ発生してもおかしくないと言われている首都直下型地震をはじめとした地震災害への備えなど、コロナ禍にあっても全力で取り組まなければならないのが防災対策であります。 大規模災害の危険が迫る中、引き続き災害対策を強化していく必要があると考えますが、西川区長の御見解をお伺いします。 また、これから十月にかけて豪雨などによる災害に注意が必要な時期に入ってまいります。気象庁が今月十七日、豪雨災害への警戒を促す「顕著な大雨に関する情報」を新設するなど、異常気象が続いている近年、最大限の警戒が必要であることは間違いありません。いち早く区民に防災行動を取っていただく取組が必要であります。特に災害弱者の避難支援強化は、命を守る行政の取組として欠かせません。 そんな中、災害時の迅速な避難支援を強化するための改正災害対策基本法が五月二十日から施行されました。災害時に支援が必要な高齢者や障がい者らの災害弱者ごとの個別避難計画の作成を行政の努力義務にすることなどが柱であり、公明党の主張が随所に反映されました。 個別計画は、避難先や経路など事前に定めることで、早期避難を実現することが目的であります。 私たち公明党は、これまでに早期避難を実現するため、マイ・タイムラインの推進などを要望してまいりました。荒川区として、これらのさらなる推進とともに、災害弱者の避難支援強化を図り、命を守る防災施策をさらに進めていただきたいと思います。区の見解を伺います。 次に、二点目として、タクシー会社、介護タクシー事業者との(仮称)災害時輸送協定締結についてお聞きします。 大規模災害時には、人や物資を運ぶ車両の確保が困難となり、応急対策に必要な人員を迅速に投入できなくなることや、必要な物資の輸送に支障が出ることが想定されます。 その解決策の一つとして、豊島区では、平成二十八年十月、タクシー事業者と災害時における緊急輸送協力に関する協定を締結しております。 協定の主な内容は、避難行動要支援者、傷病者、区の職員、その他区の指定した人員の輸送業務、物資及び資機材の輸送業務、災害の状況及び被害情報の収集などです。これにより、災害時の移送を必要とする避難行動要支援者、傷病者などの移送及び物資等の輸送体制の確立ができております。 また、平成三十年七月豪雨では、避難行動を促す情報が発令されている中、自力での避難が困難な在宅の要配慮者に対して、介護タクシー事業者がボランティアで緊急輸送し、避難させることができたということがありました。 介護タクシー事業者は、旅客輸送に必要な普通自動二種免許とホームヘルパー二級以上の資格を持ち、車椅子やストレッチャー対応の車両など、要配慮者が移動するための介助・福祉環境が整えられております。 一昨年七月に千葉県の船橋市は、要配慮者を避難所から福祉避難所へ移送することなどを対象に、介護タクシー事業者をまとめる船橋市福祉限定事業者連絡会と災害時における緊急輸送等に関する協定を締結いたしました。 このように、大規模災害時には人や物資を輸送する手段の確保が大変に重要であります。災害時要配慮者への支援として、タクシー会社や介護タクシー事業者のような民間活力の利用が必要であると考えます。 荒川区では、現在、個人タクシーの協同組合と防災協定を既に結んでおりますが、より確実に要配慮者や物資を輸送するため、タクシー会社や介護タクシー事業者と(仮称)災害時輸送協定を締結すべきと思いますが、区の見解を伺います。 次に、二つ目の項目として、新型コロナウイルス感染症対策について四点お聞きいたします。 政府は、新型コロナウイルス対策として、十都道府県に発令していた緊急事態宣言について、沖縄を除き昨日から解除し、七都道府県が七月十一日まで蔓延防止等重点措置へ移行されました。 東京オリンピック・パラリンピックに向けた大会組織委員会などは、五輪会場の観客数上限を定員の五〇パーセント以内で最大一万人とすることを正式に決め、開催に向けて準備を進めております。しかし、東京などは感染者数の下げ止まりが続いていることが懸念されております。 新型コロナウイルスの感染収束の切り札とされるワクチンについて、厚生労働省は五月二十一日にアメリカ・モデルナ製などを特例承認しました。既に接種が進んでいるファイザー製とモデルナ製を合わせ、約一億二千二百万人分の供給が確保されました。 私たち公明党は、一日も早い接種の実現に全力で取り組んでまいりました。特に海外ワクチンの確保では、昨年七月の国会審議で、確保の財源として予備費活用の方針を初めて政府から引き出したことで、海外企業との交渉が一気に進展、現在、全国で接種されているアメリカ・ファイザー製やモデルナ製などの国内供給につながりました。 菅首相は、ワクチン接種こそが切り札、政府として全力で取り組むとして、十月から十一月にかけて、希望する国民全てに終えることも実現したいと表明しており、コロナ対策は新たな局面に入ったと感じております。 そこで、新型コロナウイルス感染症対策の一点目は、ワクチン予約キャンセル発生時のフレキシブルな接種体制の確立についてであります。 国の大規模接種や職域接種なども始まり、ワクチン接種の進捗状況が加速度的に進んでいるように思われます。と同時に、予約のキャンセルが増えているという報道もなされております。 荒川区では、キャンセル数は多くないと聞いておりますが、今後接種対象が増えてくるに従い、様々な理由によりキャンセルの発生も増えるのではと危惧いたします。自治体によっては、キャンセル分のワクチンを無駄にしないような様々な対応をしております。 奈良県五條市では、「もったいない登録」という取組をしております。事前に登録し、キャンセルが発生した場合、電話で連絡を受けて三十分以内で到着できる接種会場を指定しておきます。年齢の高い順に電話連絡がされ、つながらない場合は次の人に連絡がいく仕組みです。大変いい取組だと思います。 こういった取組のほか、各自治体が様々に工夫を凝らし、無駄のない接種を行っております。 キャンセルなど余剰ワクチンの取扱いについては、各自治体の裁量に任されていると思います。エッセンシャルワーカーなど優先度の高い方の接種が終わりましたら、キャンセル待ちの接種体制にも取り組んでいただきたいと思います。区の見解を伺います。 二点目は、ワクチン接種進捗状況を分かりやすく示す(仮称)あらかわワクチンメーターの開示についてであります。 私は、五月十七日、西川区長に提出した新型コロナウイルスワクチン接種に関する緊急要望の中の一つに、ワクチン接種の進捗状況を区民へ情報を提供するよう要望いたしました。正確な情報は区民の安心やコロナ対策へのモチベーションにつながると確信いたします。 埼玉県戸田市では、市民へ新型コロナウイルスワクチン接種の情報提供を行うため、ワクチンの接種状況を可視化した「戸田市ワクチンメーター」を開示しています。また、本庁舎二階ロビーにディスプレーを設置して表示しています。 現在、荒川区では、私たちが要望したように「荒川区ワクチン接種実績」というグラフを出しております。ホームページのトップページから新型コロナワクチン接種特設サイトへ入り、検索をすると見ることができますが、少し手間がかかるように感じます。 ワクチン接種の進捗状況は、できればトップページや区役所ロビーのモニターに表示していただきたいと思います。一目で分かるように、接種対象者に対してどのくらいの割合済んでいるのか、円グラフや棒グラフを使っていただきたいと思います。 名称も大事であります。(仮称)あらかわワクチンメーターの表示を要望いたします。区の見解を伺います。 三点目は、ワクチン接種後の継続した感染予防周知についてであります。 予算に関する特別委員会でもワクチン・プラスとして申し上げましたが、ワクチン接種を終えた後も基本的な感染対策が重要であります。 二回接種が完了した人が増えてきておりますが、免疫が整うまで一定の時間がかかると言われております。マスク、外出などについて分かりやすい行動指針を示す必要があると考えます。 感染力が高いと言われる変異株の広がりも懸念されております。 アフターワクチン、つまりワクチン接種を済ませた後も、基本的な手洗い、消毒、屋内や人が多いところでのマスク着用が大事であることを改めて区民に周知していただきたいと思います。区の見解を伺います。 四点目は、コロナ禍における認知症予防対策についてであります。 感染拡大を防ぐため、不要不急の外出を避け、人との接触を減らすことが大切になっておりますが、認知症の予防に大切なこととは正反対となっております。外出を控える期間の長期化によって認知機能の低下が促進され、軽度認知障がい(MCI)や認知症につながるおそれがあると言われております。 我が党の保坂正仁議員は、平成三十年度十一月会議において、認知症への予防対策の質問をしております。その中で、認知症患者が一人増加した場合の社会的コストは年間約一千四百万円、そのためにも認知症の早期発見・早期治療は大変重要な施策であると指摘し、早期発見・早期治療に努めるとともに、軽度認知障がいの回復につながる事業の検討をすべきと要望しております。 認知機能の低下の認められるMCIと呼ばれる軽度認知障がいの段階の方は、気づくことなく予防策を取らずそのまま放置されますと、年間およそ一割の高い確率で認知症に進展するとされる一方で、リスク要因の低減やライフスタイルの改善等の抑制要因の促進により、約半数は正常群に改善するとの最新の研究報告があり、早期の気づきと予防介入の効果が期待されているところであります。 ワクチン接種に注目がいきがちでありますが、ぜひともコロナ禍における認知症予防として、早期発見・早期治療につながる対策を強く進めていただきたいと思います。区の見解を伺います。 以上で一回目の質問を終わります。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 答弁に入ります前に、子どもの頃から極めて近いところで一緒に遊んだ、私のほうがはるかに年上ですが、いろんな意味で仲よくしていただいた森本家の御令息がこんなに立派になられて、大変うれしく、喜んでおります。これからもよろしくお願いいたします。 さて、私からは、災害の対策に関する御質問にお答え申し上げます。 一人の犠牲者も災害によって出さない、これは大変必要なことであると、常々議会の議員方をはじめ、多くの区民の皆様にもお訴えをしてまいりました。これからもそうした防災対策には全力で取り組んでまいりたいと存じます。 昨今、全国的に様々な災害が発生しております。かなりの数がございますことは御案内のとおりでございます。 荒川区といたしましても、区民の皆様のお命を、そして、大変重要な皆様の長い間のお働きによっておつくりになられました財産、こうしたものをしっかりとお守りしながら、その安全対策にはさらに力を尽くしていかなければならないと考えているところでございます。 そのために、災害の発生時に最も重要となりますいろいろな情報をしっかり収集させていただき、そして、これを着実に発信させていただきながら、区民の皆様が的確に行動していただけるように、最大限の災害情報の確保とこの伝播のシステムというものにしっかりと取り組んでいきたい。常々申し上げているところでございますが、防災アプリの一層の充実の強化と申し上げたほうが分かりやすいかもしれませんが、そうしたことを一生懸命やってまいります。 また、そうした際に必要ないろいろな伝播のための手段、これらを無償で提供させていただくこと、これらをしっかりと行っていきたいと思います。 また、水害の対応につきまして、全ての避難場所、こういうところに、力を入れていかなければならないと思います。 先般、森本議員御所属の政党の赤羽大臣殿が八幡中学校の裏手の河川の御視察においでいただきました。私も最初から最後まで、国土交通省の方々も大勢おみえになりまして、十二分に御意見を承り、また荒川区の要望を申し上げたところでございます。 私どもは、子どもの頃から低地であります荒川区で、腰まで水に浸かりながら小学校に通学した覚えもございますし、その後、母やおば、また近隣の方々が泥水をかき出したり、家を水で洗ったり、いろいろな苦労を大人の方々がされてきたことをよく承知をいたしているところであります。 これからも、こうした危険が荒川区には潜在的にございましたし、今までも何かのときに、自然災害でありますから、そうしたことがあるかもしれません。 先般、尾久八幡中学校の裏手で御党の赤羽大臣が久しく御挨拶をいただいたことは度々申し上げておりますが、我々も率直にいろんな意見を国にお届けし、国の機関のかなりハイランクの技監の方々が八幡中近くにお出ましいただいたのでございます。直近のことでありますが、これらにつきましても、しっかりやってまいりたいと思います。 もちろん、連立政権の要の方々にもその後も度々陳情を申し上げ、意見を聞いていただいていることをこの機会に申し上げたいと思います。 これからも区民のお命を守り、貴重な財産をお守りすることは、基礎自治体としての大変重要な基本的な仕事だと心得ておりますので、区議会の会派を超えた議員の皆様方のお力添えを、また御示唆、御教示をいただきながら、全力で取り組んでまいりたいと存じます。 残余のことにつきましては、関係理事者から必要でございましたら御答弁を申し上げます。ありがとうございました。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕
    ◎福祉部長(片岡孝君) 災害弱者の避難支援の強化に関する御質問にお答えいたします。 まず、荒川区地域防災計画に定める避難行動要支援者に該当する高齢者と障がい者の個別支援計画につきましては、関係機関への情報提供等に御了解をいただけた方を対象に作成を進めており、今後も定期的な新規作成と内容更新に当たりましては、様々な災害の想定を加えながら、計画内容の精査を進めてまいります。 次に、マイ・タイムラインは、いざというときに適切な行動が取れるよう、避難に備えた行動一人一人があらかじめ決めておくもので、令和元年に東京都が配付した東京マイ・タイムラインは、適切な避難行動を時系列的に整理できるようになってございます。 マイ・タイムラインにつきましては、災害弱者にとっても計画的に避難行動を取る上で有効なツールになると認識しており、引き続き東京マイ・タイムラインを十分に活用しながら、避難支援の強化を図ってまいります。 次に、コロナ禍における認知症対策に関する御質問にお答えいたします。 長期間の自粛生活における運動不足や人との関わりの減少など、生活習慣の変化により高齢者の認知機能の低下リスクが高まっていることは区も認識しており、認知症に関する正しい知識の普及啓発を積極的に行い、症状の早期発見・早期対応を促していくことは大変重要なことと考えております。 区におきましては、九月のアルツハイマー月間に区内図書館を活用して集中的に普及啓発事業を開催することとしており、今回の御提案も踏まえまして、区民の方に認知症予防に取り組む契機としていただけるよう内容を工夫してまいります。 また、各種の介護予防教室につきましても、感染症対策を講じた上で実施するほか、御自宅でできる介護予防DVDの活用や、認知機能の向上を目的としたはつらつ脳力アップ教室のオンライン配信教室の設置など、コロナ禍においても取り組みやすい認知症予防対策を進めてまいります。 また併せて、他の自治体における取組なども参考にしながら、認知機能の低下などを早期に気づくことのできる仕組みづくりや認知症予防効果が期待される取組について、引き続き調査研究をしてまいります。   〔区民生活部長阿部忠資君登壇〕 ◎区民生活部長(阿部忠資君) タクシー会社や介護タクシー事業者との輸送協定に関する御質問にお答えいたします。 区内には、タクシー会社や介護タクシー事業者が複数あり、普通車両のほか、車椅子が収容できる介護車両などを保有しております。 また、運転手の中には区内の地理に精通している方が多く、人員、物資の搬送や無線を活用した情報の収集に生かされるものと認識しております。 区といたしましては、御提案の趣旨を踏まえ、災害時における輸送協定の締結につきまして、当該事業者の意向等を確認してまいります。   〔新型コロナワクチン調整担当部長東山忠史君登壇〕 ◎新型コロナワクチン調整担当部長(東山忠史君) 初めに、新型コロナウイルスワクチン接種における予約のキャンセル発生時対応に関する御質問にお答えいたします。 当日の予約キャンセルに伴うワクチンのロスが発生しないよう、高齢者施設等従事者等の名簿をあらかじめ作成し、これらの対象者へ接種を行っており、これまで順調に接種を進めることができております。区といたしましては、余剰ワクチンの有効活用に努めてまいります。 次に、ワクチン接種状況の情報発信に関する御質問にお答えいたします。 区といたしましては、より視覚的に分かりやすくなるよう工夫を凝らすとともに、ホームページのトップページに掲載して閲覧しやすくするなどにより、新型コロナウイルス対策について区民の方に御理解と御協力をいただけるよう努めてまいります。   〔健康部長石原浩君登壇〕 ◎健康部長(石原浩君) 新型コロナウイルスワクチン接種後の感染対策に関する御質問にお答えいたします。 ワクチンを接種しても一〇〇パーセントの感染予防効果が得られるわけでなく、またある程度の抗体ができるまでの期間は新型コロナウイルスに感染する可能性があると言われております。こうしたことから、ワクチン接種を終えた後についても、引き続き基本的な感染防止対策が重要であると認識しております。 区といたしましては、引き続き気を緩めることなく、様々な機会や手法を駆使して、新型コロナウイルス感染症対策に全力で取り組んでまいります。 ○議長(菅谷元昭君) 森本達夫議員の質問を終わります。 十番小島和男議員。   〔小島和男君登壇〕 ◆十番(小島和男君) 私は、日本共産党荒川区議会議員団を代表して、四項目の質問を行います。 菅政権の新型コロナウイルス対策は、科学に基づく封じ込め戦略の欠如によって、感染拡大を防ぐためのワクチン接種が世界百十一位、人口比のPCR検査世界百四十位。ワクチンと検査など失政そのものです。こうした対策の遅れが克服できないまま、六月二十日に東京都など九都府県に出されていた緊急事態宣言が解除されました。 現在、国内ではインド由来のデルタ株が拡大し、その影響が小さい場合でも、七月後半には一日新規感染者数が千人を超えると国立感染症研究所が試算しているように、緊急事態宣言が既に予測されている下で解除するのはあまりに危険ではないでしょうか。 下げ止まりに加え、リバウンドの兆しもあると指摘されています。今やるべきことは、ワクチンの迅速な接種と大規模検査の両方を一体的に推進すること、また、事業者や医療現場の保障です。国や東京都の責任はもちろんですが、区としても、コロナ対策の強化は重要になっています。 第一の質問は、区民の命と暮らしを守るコロナ対策などの抜本的な強化についてであります。 荒川区では、七月初旬から荒川さつき会館において、認可外を含む保育施設、公私立幼稚園、学童クラブ、にこにこすくーる、小学校、中学校、清掃、資源回収等の従事職員、福祉事務所、児童相談所などのエッセンシャルワーカーを対象に優先接種を行うことを明らかにしました。 ワクチン接種後の副反応として、発熱、倦怠感、悪寒、頭痛などが言われています。職場を休むことが必要でも、職場の人員が確保できずに出勤が求められるケースも考えられます。体調不良で勤務したのでは、仕事に支障を来すことになります。こうした事態が起きないように、荒川区として責任を持たなければなりません。 学校、保育園、幼稚園などに勤務する職員のワクチン優先接種については、ワクチン休暇や職場体制の維持のために必要な支援を行うことを求めます。 荒川区では、集団接種会場だけでなく、区内の病院や診療所でも六月十四日からワクチン接種ができるようになりました。通常診察とは別に夜間や休日に体制を取らなければならない病院や診療所もあります。訪問接種も、一本のワクチン六人分を六時間以内で回らなければなりませんから、通常の往診のときに合わせてやることはできません。人件費や事務費の支出が必要になります。 一日六十人以上接種できる病院で一日十七万五千円、都の財政支援が受けられる病院・診療所は僅かです。区は月十五万円の支援を考えていますが、全く足りません。また、PCR検査を行う区内の医療機関には区の助成が出ていますが、六月で終了予定となっています。 ワクチンの個別接種、訪問接種を行う病院、診療所の財政支援を強化すること、PCR検査を実施する医療機関への区の支援を継続することを求めます。 コロナ感染が起きてから既に一年六か月経過しました。区内のコロナ感染状況は、六月十六日現在、感染者が二千七百三人、入院三十四人、宿泊療養二十一人、在宅療養十九人、死者二十二人にもなっています。学校、保育園など児童・生徒にも広がっており、保育園で職員十四人、園児十九人の計三十三人のクラスターも発生し、一か月以上休園となりました。子どもたち、保護者、職員の皆さんは、不安な毎日が続きました。感染が出たとき、すぐに全園児、職員の検査を実施していたら、状況は違っていたのではないでしょうか。 学校、保育園、福祉施設などで感染が確認された時点で利用者及び職員全員の検査を実施するよう求めます。 区内認証保育園で子どもたちの安全・安心のために、新年度スタートに向けて職員全員のPCR検査を実施しています。本来区がやらなければならないことです。独自にPCR検査を実施した事業所には、区が必要経費を出すことを求めます。 コロナ感染対策の要として、保健所の役割は重要です。区として、この間、職員、保健師を増やす努力をしていることは承知していますが、保健所では感染対策以外にも、がん検診、乳幼児健診、公衆衛生など事業は多岐にわたっており、超過勤務が続いています。最前線で頑張る保健所職員の皆さんが体調を崩されているのか心配です。保健所全体での業務拡大の業務量にふさわしい保健所職員をさらに増員することを求めます。 次に、コロナ禍での区内の中小企業者への支援強化についてであります。 荒川区の一~三月期の景況速報では、企業のよしあしの判断について、今期は前期に比べてマイナス五三パーセント、四月から六月はマイナス六四パーセントと悪化を予測しています。一-三月期では、経営や事業活動でコロナ感染拡大のマイナス影響について、「大いにある」三六パーセント、「ある」三九パーセントで、合計七五パーセントです。何とか持ちこたえていたものの、今年に入って緊急事態宣言が延長されて、当社も当社のお客様の会社も受注減、売上激減に見舞われ、先も見えず、途方に暮れている、新型コロナウイルスが収まればと頑張っているが、今のままでは限界が近いなど、深刻な企業の状況がリアルに出されています。 私の知り合いのシール印刷の業者は、最近ぱったり仕事がなくなり、今後の見通しも立たない状況です。営業拡大のために印刷機械を入れ替えたが、リース代を三か月支払いできなかったら印刷機械を返すことになり、商売をやめるしかない、とても深刻な状況だと話をされていました。 今年になって東京では、飲食業では六月二十日まで、百八十一日中百二十九日も営業時間の短縮や休業です。いよいよ崖っ縁です。 国や都のコロナ対策は、自粛を求めても、補償は不十分です。しかも、支給が遅れています。国に対し、十分な補償及び持続化給付金、家賃支援給付金の再開は必要ですが、区としても、コロナ禍で頑張る区内中小業者の事業継続支援の助成制度を創設することを求めます。 コロナ対策などで重要な役割を果たしている都立駒込病院など都立病院・公社病院について、都は財源を減らし、独立採算で運営する独立行政法人化にするとしています。その一方で、都は独立行政法人化の検討の中で、もうける医療として、最先端技術や都立・公社病院の豊富な症例を活用し、東京での治療を求めて来日する外国人へのニーズに対応した医療ツーリズムを実施しようとしています。貴重な医療資源を都民のためではなく、外国の富裕層に振り向けられてしまいます。 しかも、医療独立法人化となれば、コロナ感染対策、障害者医療、難病医療などで公の責任が果たせなくなります。感染症や救命救急、周産期医療、がん医療、精神科医療などで大きな役割を果たしている都立病院・公社病院の独立行政法人化をやめ、直営で継続するよう東京都に働きかけるよう求めます。 コロナの感染から一年半、緊急事態宣言が繰り返され、いまだに収束の見通しは立っていません。こうした中で、オリンピック・パラリンピックが開催されようとしていますが、世界から十万人が来日し、国内でも感染者が増えるなど感染リスクが高くなり、八月にはコロナ感染の大波になるとも指摘されています。 世界で最も権威のある医学誌「ランセット」は、六月十二日付で、オリンピック・パラリンピックは新たな感染拡大を引き起こしかねないと指摘、日本国内についても悪影響を及ぼす可能性があるとの懸念を表明するなど、国内外でオリンピック・パラリンピックについて様々な問題点が指摘をされています。 オリンピック・パラリンピック開催で感染者を増やし、亡くなる方が増えるなど、あってはなりません。 小池都知事は四日前、競技会場以外で観客を集めて競技の中継を行う予定だった都内でのパブリックビューイングを全て中止することを明らかにしました。これはコロナの感染拡大を防ぐためです。実施する予定を都知事が中止したことは、計画しても中止することができることを示したものです。 オリンピック・パラリンピックは避けられない自然現象ではありません。人間が行うもので止めることはできるものです。今夏のオリンピック・パラリンピックについての区の認識をお伺いします。 第二に、事務事業見直しについてであります。 昨年九月にコロナ禍の下で、リーマンショック以上の景気後退となるとして、財政難に対応するために、サンセット方式による二百八十項目の事務事業見直しを行うことを昨年九月に明らかにし、今年九月までに計画策定を行うとしています。 日本共産党区議団は、効率的な行財政運営は当然だと考えますが、どの事業を削り、どの事業を生かしていくのか、さらに、コロナ禍にどの事業を拡充していくのか、区民の暮らし、福祉を守る視点が重要だと考えます。 補正を含む今年度予算では、コロナ対策の区独自事業は極めて不十分であり、多くの事業が国や都の財源の裏づけがある事業で、地方創生臨時交付金を含む国庫支出金、都支出金などの財源が確保されています。学校や保育園など老朽化に伴う施設の建替えについて計画的に実施すれば、財政難に陥ることはないのです。 二百八十項目の見直しは、区独自の施策として積み上げてきた事業です。高齢者向けのふろわり二〇〇と紙おむつ券購入助成、三十五歳から三十九歳の健診、経済センサス活動調査など、様々な区民の暮らしと営業を支えるものが多く含まれています。こうした事業を見直して、さらに削減・廃止などを行うことは、区民の願いに逆行するものです。 事務事業については、不要不急の事務事業について見直しを行い、暮らしに直接関わる施策を継続・拡充することを基本とするよう求めます。 第三に、生活保護行政の改善についてであります。 コロナ禍の下で、区内でも暮らしと営業は深刻さを増していますが、この一年間、生活保護受給は横ばい状況にとどまっています。こうした背景には、生活保護についての誤解や偏見があることが大きな問題になっています。 厚生労働省のホームページでは、「生活保護を申請される方へ」と呼びかけ、「生活保護は国民の権利です。ためらわず御相談ください」と明記しています。また、生活保護の申請について、よくある誤解として、同居していない親族に相談してからでないと申請できないというものではない、住むところがない人でも申請できますと記載されています。しかし、荒川区のホームページと生活保護のしおりには、生活保護は国民の権利です、生活保護についてよくある誤解についての記載は極めて不十分です。 区のホームページや生活保護のしおりに国民の権利を明記し、誤解を解消することなど、抜本的な改善を行うことを求めます。 コロナ感染で生活困窮した方に対して、生活保護ではなく、社協の緊急小口資金と総合支援資金の貸付けで対応してきました。昨年四月から実施され、合わせて延べ七千二百人、三十三億六千万円となっていますが、今月末で貸付けが終了し、生活改善の見通しが見えない世帯も多いことから、今後生活保護の申請が増えることが予想されます。 生活保護のケース数は、ワーカー一人八十人とされていますが、現在、担当平均世帯数は百となっています。定数管理の縛りもあり、大幅なワーカーの増員はできていません。このために、職員の業務軽減のためとして、二〇〇一年度のレセプト点検委託から始まり、高齢者居宅介護支援、金銭管理支援、本年度から生活保護受給者等就労支援事業など民間委託を広げてきました。生活が安定しているとした高齢者や介護認定を受けている方など、高齢者保護世帯の約四割に当たる千二百世帯を民間事業者に委託しています。この担当、高齢者支援係の区の職員は五人で、一人当たり二百四十世帯を持っています。その補助業務だとして、訪問調査、サービスの相談、援助、連絡調整、収入申告、病状報告など、データ入力は委託業者の支援員八人で行っています。民間委託支援一人は百五十世帯にもなるのです。これで年を重ねていく高齢者世帯の方々の一人一人に寄り添った対応ができるのでしょうか。補助的だといっても、実際には常勤ワーカーの肩代わりをしているのではないでしょうか。 現場で区の職員は請負契約の支援に指示はできませんが、現実には飛び越えざるを得ない状況ではないでしょうか。 生活保護法第十九条四項では、保護の決定、実施について、その管理に属する行政庁、つまり生活保護事務所長に限り委任することができると規定されており、事実上、民間委託はできないことになっているはずです。ところが、国は二〇一九年十二月にケースワーク業務の民間委託方針を閣議決定し、さらに委託拡大を検討し、二一年度中に結論を出すとしています。今後、生活保護申請の増大に対して、民間委託ではなく、正規職員の増員で対応することを求めます。 第四に、都市計画道路補助九十二号線、西日暮里四丁目の拡幅についてであります。 二〇一六年から十年間の優先整備路線を選定した第四次事業化計画では、西日暮里三丁目から上野区間の二千五百二十メートルを廃止としました。その後、必要な手続を経て、昨年十月二十七日に東京都は廃止を正式に決定しました。その結果、補助九十二号線の終点は道灌山通りになりましたが、東京都は、終点が変更になって交通量はどうなるのか、今でも道灌山通りが混雑しているのに、九十二号線の車が道灌山通り、西日暮里四丁目交差点に入り込むといった混雑が激しくなるのではないかなどの疑問に、東京都の第六建設事務所や都市整備局道路課は回答できない状況が続いています。 この間、地元住民が東京都の第六建設事務所や都市整備局道路課などと粘り強く交渉を続けてきた結果、一昨年六月には第六建設事務所の副所長が、西日暮里四丁目の補助九十二号線道路拡幅については、住民の反対が強く、事業実施は困難であると回答したことを文書で住民に提示され、都市整備局道路課もこの文書があることを確認しています。 実際にこの間、西日暮里四丁目地域では、補助九十二号線道路拡幅のための測量や用地買収は全く行われていないのです。 本来、補助九十二号線、西日暮里四丁目地域は計画から外すべきですが、第四次事業計画実施中は外すことはできません。 不要な西日暮里四丁目地域の都市計画道路補助九十二号線については、第五次整備計画から除外するよう東京都に働きかけること、答弁を求めます。 これで第一回の質問を終わります。   〔区長西川太一郎君登壇〕 ◎区長(西川太一郎君) 小島議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず、私からは、区民の皆様のお暮らしに関わる事業に関する御質問にお答えを申し上げます。 新型コロナウイルス感染症の流行の長期にわたる状況に鑑みて、世界経済は非常に大きな影響を被っていると理解をいたしておりますが、またこれは区の財政に影響を与えることもございますから、歳入の根幹に関わる大変重要なものであると。特別区税でございますとか、また、財政調整基金の減少が見込まれるなど、厳しい状況にあると承知をいたしているところでございます。 こうした中で、今後も大変重要な問題でございますのは、質の高い区民サービスというものをいかに提供させていただいていくかということは、限られた財源の有効な活用が基本になることはもう十分御理解いただけるところだと思います。選択と集中を今こそしっかりと図ってまいり、よってもって必要とする施策を実行していくことは大事だと存じます。 このため、区といたしましては、全庁的に全ての事業を点検して、無駄がないか、選択に誤りはないか、こういうものをしっかりと実施して、区民の皆様のお役に立っていくようにすることが何より大事だと心得ております。 新型コロナウイルス感染症の対策をもちろんはじめといたしまして、今の時期でございますから、区民の安全・安心の確保をしっかり行って、苦しい状況に置かれておられます区民の皆様に対して、温かい手を差し伸べさせていただくことは、地方自治として極めて大事なことだと存じます。 その上で必要性が低下した事業につきましては、思い切った見直しを行っていくことも大変重要でございますから、一件一件しっかりとかつ慎重に検討させていただき、選択と集中を図っていきたいと存じます。 区といたしましては、今後もこうした状況に対しての取組を確実に積み重ねていくことは、区民サービスの向上を図るために必須のことだと存じますので、引き続き健全な行財政運営を図ってまいることを申し上げたく存じます。 これ以外の御質問につきましては、関係理事者から御答弁を申し上げます。   〔子ども家庭部長青山敏郎君登壇〕 ◎子ども家庭部長(青山敏郎君) ワクチン優先接種における休暇等の支援に関する御質問にお答えいたします。 七月初旬の開始を目途とする保育園等に従事する職員を対象とした職域での接種の実施に当たりましては、各職員本人の意思を確認するとともに、同一職場で職員が一斉に接種をすると、その後の副反応等により業務に支障が生じる可能性も想定し、各施設の意向や状況を考慮した接種日時とするなど、事前の調整を入念に行う予定としております。 また、区職員がワクチン接種を受ける場合や、接種後の副反応等により療養する必要がある場合には、職務に専念する義務や給与の減額を免除することとしております。 国におきましても、ワクチン接種を受けることができるよう休暇制度等を設けることは望ましいとしており、保育園等事業者に広く周知してまいりたいと考えております。 区といたしましては、職域でのワクチンの優先接種を各施設の運営体制に影響のないよう、迅速かつ丁寧に実施し、日々子どもと密接し、感染症リスクを抱えながら業務に従事する職員の不安解消と感染拡大防止に努めてまいります。   〔新型コロナワクチン調整担当部長東山忠史君登壇〕 ◎新型コロナワクチン調整担当部長(東山忠史君) 新型コロナウイルスワクチンの個別接種、訪問接種を行う医療機関への財政支援に関する御質問にお答えいたします。 個別接種及び訪問接種の実施に当たりましては、予約の受付やワクチン接種時間の確保等の新たな対応が発生することから、体制を整備するために必要となる費用相当額を実施医療機関に支払うこととしております。 これに加え、各医療機関が時間外や休日に接種する際の一人当たりの単価の加算を国が行うとともに、東京都が一定以上の回数の接種を行った場合に協力金を支払う事業を実施しており、これらの支援の内容を医師会と情報を共有しているところでございます。 区といたしましては、引き続き医療機関への必要な支援を行ってまいります。   〔健康部長石原浩君登壇〕 ◎健康部長(石原浩君) PCR検査を実施する区内医療機関への支援に関する御質問にお答えいたします。 区では、発熱患者の診療や検査を行い、より感染リスクの高まる医療機関に対して支援を行えるよう、本年一月から発熱外来支援補助金の制度を開始したところでございます。これまでに延べ百六十九の医療機関から申請があり、二千万円を超える補助金を支給してまいりました。 区といたしましては、感染状況がいまだ落ち着かない状況にあることから、補助制度を当面の間継続しつつ、医師会とも協議しながら、今後の対応について検討してまいります。 次に、学校、保育園等におけるPCR検査に関する御質問にお答えいたします。 区では、区独自のPCRセンターを開設して以降、検査の必要数に応じてセンターの開設時間や回数を随時増やし対応するなど、必要な方は全て検査が受けられる体制の確保に努めてまいりました。 その後も唾液によるPCR検査の実施や行政検査の範囲拡大、医師会との協力体制により、区内医療機関における検査体制を拡充するなど、区民の皆様の安全・安心を確保するため、最大限の努力をしてきたところでございます。 施設等で利用者や職員が陽性者となった際には、疫学調査の結果、濃厚接触者と認定されなくても、感染させる可能性のある期間に陽性者と接触があった方などを対象として、広く行政検査を実施しているところでございます。 議員御質問の、独自に検査を実施した事業所への助成につきましては、対象者の範囲や頻度、回数等について、様々であるところですので、引き続き国や都の動向を注視してまいります。 次に、都立病院・公社病院の独立行政法人化に関する御質問にお答えいたします。 東京都では、医療を取り巻く環境が大きく変化する状況を踏まえ、都立病院・公社病院を一体的に地方独立行政法人へ移行するための新たな病院運営改革ビジョンを令和二年三月に策定し、令和四年度内の移行に向けて準備を進めているところです。 ビジョンの策定に当たっては、都民の誰もが質の高い医療を受けられる環境を整えることを考え方の柱に据えるとともに、法人化後においても、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症医療、救急医療、小児医療などをさらに充実させるとしています。 区といたしましては、地域において適切な医療体制が提供され、また、感染症医療等の確実な提供がなされるよう、都において適切に実施されるものと考えております。   〔管理部長梅原一彦君登壇〕 ◎管理部長(梅原一彦君) 保健所の人員体制に関する御質問にお答えいたします。 コロナ禍で増大する業務量に対応するため、区では、これまで部を超えた応援体制を組むなど、保健所の体制強化を図ってまいりました。 これらの対応は、従来からの保健所業務を円滑に行えることを前提として行っているものであり、今年度当初にはワクチン接種担当に十七名の増員を行ったほか、接種会場の要員として、新たに約四百名の職員の従事体制を組むなど、全庁挙げて取り組んでおります。 引き続き、コロナ禍による業務への影響を踏まえながら、最前線で区民の健康を守る保健所の執行体制の確保に努めてまいります。   〔産業経済部長石原久君登壇〕 ◎産業経済部長(石原久君) 事業継続支援の助成制度に関する御質問にお答えします。 区では、令和元年度から新型コロナウイルス対策融資や中小企業相談窓口の開設など、区内中小事業者の事業継続のための支援を行ってまいりました。国や東京都においても、事業継続のための給付金や支援金の制度を構築し、事業継続に大きく寄与しております。 区といたしましては、事業を継続することは、雇用の維持や地域活性化の観点から重要と考えており、引き続き国や東京都との役割分担を行いながら、事業継続に対して積極的な支援を行ってまいります。   〔地域文化スポーツ部長古瀬清美君登壇〕 ◎地域文化スポーツ部長(古瀬清美君) 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に関する御質問にお答えいたします。 現在、国、都、組織委員会などが安全・安心な環境を提供できるよう、大会準備の総仕上げが進められております。 区といたしましては、区民をはじめ、参加する選手など関係者の安全・安心が確保された上で大会が開催されるよう、国や都、また組織委員会において適切な判断や対応がなされるものと認識してございます。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) 生活保護についてのホームページ等の記載内容の改善に関する御質問にお答えいたします。 コロナ禍において減収や失業など生活に困窮した方々が増加している中で、国では生活保護の申請は国民の権利であるので、ためらわず御相談くださいとの周知を行っております。区においても、それに合わせ、ホームページや保護のしおりを改正したところでございます。 今後も、国民の皆様に生活保護制度を正しく理解していただけるよう、引き続き内容の充実を図ってまいります。 次に、生活保護に係る職員体制に関する御質問にお答えいたします。 区における生活保護の動向は、ここ数年にわたり微減傾向にありましたが、昨年度は横ばい傾向にあり、今年度も同様の傾向が続いてございます。 今後とも、こうした保護の動向を注視しながら、管理部とも連携し、適切な執行体制の確保に努めてまいります。   〔都市計画担当部長松崎保昌君登壇〕 ◎都市計画担当部長(松崎保昌君) 都市計画道路補助九十二号線に関する御質問にお答えいたします。 補助九十二号線の西日暮里四丁目の部分につきましては、平成二十八年三月に東京都と区市町が共同で策定いたしました東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)におきまして、おおむね十年間で優先的に整備すべき路線に位置づけられております。 しかしながら、地元では多くの方が反対されている状況にあり、現在のところ、東京都としての大きな動きはございません。このため、区は事業の影響を受ける皆様に対しまして丁寧に説明を行うよう東京都に要望しております。 東京都では、都市計画道路の整備を計画的、効率的に進めるため、未着手の路線を対象に、おおむね十年程度の間隔で事業化計画を策定しておりますが、議員の御質問にあります第五次事業化計画につきましては、現時点で検討が始まる動きは把握しておりません。 区といたしましては、今後、新たな事業化計画の策定検討が開始した場合には、補助九十二号線の整備計画に対する地元の方々の様々な御意見について、施行主体である東京都に確実に説明してまいりたいと考えております。 ○議長(菅谷元昭君) 小島和男議員の質問を終わります。 この際、議事の都合により休憩をいたします。   午後零時十三分休憩   午後一時十四分開議 ○議長(菅谷元昭君) 休憩前に引き続きまして会議を開きます。 二十六番清水啓史議員。   〔清水啓史君登壇〕 ◆二十六番(清水啓史君) 立憲・ゆい・無所属の会の清水啓史です。 新型コロナウイルス感染症対策に伴い、東京に発出されていた三度目の緊急事態宣言も、昨日から蔓延防止等重点措置に変わりました。しかし、感染者状況は減少から下げ止まり、そして増加傾向に入った状況にも見られます。めり張りなく宣言を発出し続けていることによる効果の限界や、打ち出される方針のちぐはぐさ、ダブルスタンダードも感じられます。 日本は島国であり、入国するには船か飛行機かしかありません。検疫対策をより強化できないのか、そもそもきちんとした体制になっているのか、まずは蛇口をきちんと閉めることなのではないでしょうか。 今回と同様な状況が設定となっている「首都感染」という小説を読みました。海外と往来、環八の内と外での往来を完全に封鎖することによって収束に向かっていくという内容になっています。 公衆衛生、感染症対策の難しさに直面している今、収束に向かって、政治の役割、意志、そしてメッセージ、一人一人の行動が問われているのだと思います。 併せて、このことを将来のためにもきちんとした記録を残していくことを区に対しても再度求めておきます。 さて、令和三年度荒川区議会定例会・六月会議に当たり、三項目について質問いたします。 まずは、デジタル・ディバイド、情報格差への対応についてお聞きいたします。 インターネットから情報を得ることや手続をすることが普通の社会になりました。そういった中で、IT技術を使える人と使えない人との間に生じてしまう情報格差については、この間も以前より指摘されてきました。今回の新型コロナウイルスワクチン接種予約の際にこのことが改めて顕在化したと言えるのではないでしょうか。 各自治体の接種予約は電話とオンラインによる申込みになります。しかし、高齢者の中には、オンラインでの予約申込みがうまくできなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。 報道によると、自治体がウェブ予約を代行するサポートの窓口を設けたり、あるいは大学生が予約代行のボランティア窓口を開設したり、携帯電話ショップの予約代行がなされるなどの地域もあるように見受けられます。 荒川区では、区役所に人が押しかけて混乱するようなことはなかったと伺っています。しかし、オンライン予約された方の中には、御本人ではなく、家族であったり知り合いであったり、代わってされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、そういったサポートしてもらえる方がいる環境にあるということはよかったと思います。 また、コロナ禍にあって、集会や講座などのイベントも今までのように会場で開催する形態ができなくなりました。ズームなどオンラインでの開催も行っているようでありますが、この際においても使える人と使えない人との間で差が生まれることになります。 国もデジタル化の推進を掲げ、今年九月にはデジタル庁も開設されます。今やいろいろな手続がオンラインでできるようになり、利用者の利便性、また行政としての作業効率化の視点からも、今後さらに増えていくことは想定されます。 しかし、一方で、使える人と使えない人の差があってはいけない。機会の公平性の問題や情報差、貧富の差にもつながるとの指摘もあります。 こういったものに疎い方にも使いやすいサイトにすることも当然ですが、情報弱者を解消していくこと、生み出さないことへの対応が必要だと考えます。デジタル・ディバイド、情報格差への対応について見解を伺います。 二つ目は、区直営現場の考え方についてお聞きします。 国、都道府県、区市町村という各政府がある中で、区市町村は最も住民に身近な組織であります。まさに現場ということです。 先ほど触れた新型コロナウイルスワクチンの接種もそうですが、実際に接種を行っているのは各自治体です。介護が必要になった、保育園に預けることになった、学校へ通うことになった、相談するのは住んでいる自治体の区役所や市役所です。住民に一番近いところにいて、ダイレクトに住民の思いを感じ、それを一つ一つ改善することによって、区民一人一人の幸せのために貢献できるからこそ、困難なことがあったり、大変なことがあっても、区職員の皆さん方の仕事というのは尊いのではないでしょうか。 そして、その最大の強みは現場を持っているということだと思います。基礎自治体が直営現場をなくしてしまうということは、正しい方向と言い切れるのか、この間、私自身も自問自答を繰り返してきました。 委託や指定管理などにより民間に公共サービスを担っていただいています。民間の知恵や技術・能力を区民のために活用していくことはもちろん大切なことです。が、区直営の現場をなくしてしまったら、現場を知らない、経験することもない職員が現場を管理していくことになります。 情報や知識と経験は違うのではないでしょうか。恐らく経費縮減も理由の一つとして挙げられるでしょう。その視点は当然に重要なことです。全く否定するつもりはありません。 さはさりながら、お金で買えないもの、基礎自治体として持っていなければならないもの、少なくとも持っておいたほうがいいもの、区組織として継承していったほうがいいもの、していかなければならないものというものもある気がします。 政治に携わる者は、今だけを見ているのではなく、過去と未来をつなぐそのベクトルの中にいるということを認識していくことが大事だと考えます。 ハイブリッド、官民のベストミックスの状況を探っていくことが、いざというときにも機動力のある組織として、よりよいサービスの提供につながるのだと思います。 区直営現場の考え方について見解を伺います。 最後に、日暮里駅周辺の整備についてお聞きします。 日暮里駅南口にある紅葉橋、当初は昨年開催されるはずであったオリンピックまでにエレベーターが設置をされている予定でした。が、設置は先延ばしとなりました。そして、設置延期に伴い、併せてエスカレーターを整備についても検討していく旨の答弁がこの間、担当部局よりありました。 エレベーターが設置される予定であった場所には、今は閉鎖型の喫煙所所が設置されています。紅葉橋上のパーティションだけの喫煙所が改善されたことはよいのですが、その後、エレベーター及びエスカレーターの設置に向けた進捗はどのようになっているのでしょうか。お示しください。 一方、北口の改札側、下御隠殿橋にあるトレインミュージアムでは、特に土日、小さなお子さんを連れた家族が足を運び、柵につかまって新幹線などの電車を眺めている光景を目にします。歩道上ということもありますので、安全に眺めることができるような状況を守っていかなければならないと思います。 以前にも取り上げました京成高架の中層スラブの活用を図れないでしょうか。面積は約三百二十平米、上り線と下り線の間にあるこのスラブは、橋とちょうど同じ高さの位置にあります。 この件については、平成二十六年(二〇一四年)二月の本会議において質問した際、当時の防災都市づくり部長からは、整備に際しては、国庫補助金を受けていることから、鉄道関係などの公共用に供する施設以外は活用できない前提となっていますとしながらも、利用には制限はありますが、地域の活性化のためにも有効な利用の可能性について関連機関と協議検討を行ってまいりたいと答弁がありました。 利益を求める民間企業が、環境問題や社会貢献、地域貢献というように、ある意味では直接の利益とはならない点についても意識を持って取り組んでいく時代に変わってきています。 そういった時代背景も含め、改めて今既にあるスペースとしての資源を公共のために有効活用できないものかと考えます。 今日も事業報告が配付をされましたが、日暮里駅整備株式会社・佐藤安夫社長、松土民雄取締役、ぜひともお願いを申し上げます。 日暮里駅周辺の整備について見解を伺います。 以上、三項目にわたり答弁を求めて、質問を終わります。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) デジタル・ディバイドに関する御質問にお答えいたします。 デジタル技術の活用については、今般の新型コロナウイルス対策としても加速度的に広がりを見せており、国ではデジタル弱者対策として、デジタル活用支援員の構想を発表しております。 荒川区においても、議員御指摘のとおり、ワクチン接種の予約でサイトにアクセスする手段がなかったり、パソコン等の機器があっても方法が分からない方もおり、予約を御家族や近隣町会、民生委員、高年者クラブ、介護事業所など、地域の方々が協力して行っている実態があると認識してございます。 区ではこれまで、デジタル機器に慣れていない高齢者を対象に、老人福祉センターでのスマートフォンやタブレット教室、生涯学習センターでのIT講座などを開催してまいりました。また、外出自粛対策として、認知症予防教室などの区の事業におきましても、ズーム等の活用が必要となっております。 区では、オンライン講座への参加に当たって、その方法などについて説明を丁寧に行い、こうしたオンラインでの講座体験を通して、講座の終了後も御自身で活用できるよう支援をしております。 今後も、申請窓口のデジタル化などがさらに進んでいくことを考え、デジタル弱者への支援を積極的に行ってまいります。   〔総務企画部長五味智子君登壇〕 ◎総務企画部長(五味智子君) 区施設におけるサービスの提供方法に関する御質問にお答えいたします。 区ではこれまでも民間事業者等が有するノウハウを活用し、区民サービスの向上と効率的な行政運営を行っていくことを目的に、業務委託や指定管理者制度の方法を取り入れてサービスを提供してまいりました。 現在五十三か所の施設において指定管理者制度を導入しているほか、様々な区施設においても業務委託を活用し、サービス提供を行っております。そして、こうした民間活力の活用に当たっては、区と民間事業者が一体となってサービスの質の向上と充実を目指すことが重要であるという認識の下、この間、議会からいただいた御意見も踏まえ、改善を重ねてまいりました。 指定管理者制度を導入している施設においては、実績評価制度の充実に加え、区の施設担当職員が日常的に施設に足を運び、詳細に現場の状況や利用者のニーズを確認するとともに、施設担当課長が定期的に現地確認を行った上で、サービス向上のために必要な指導や助言、協議等を行っております。 また、区施設において業務委託によりサービス提供を行っているものも、区職員による定期的な確認、連絡会の開催、保護者や利用者等を対象とするアンケート調査の実施などにより、常に区が現場の実態を把握した上でサービスの改善を行っております。 このように、区が各施設におけるサービスの状況を的確に把握し、事業者と協議を重ねた結果、開館時間の拡大や講座等の充実によるサービス対象者の拡大、迅速な修繕対応による施設の安全性の確保など、相当の成果を上げてきているものと認識しております。 また、一昨年の台風十九号の際、避難所の開設や、今般の緊急事態宣言下における利用時間及び事業内容の変更等の緊急的な対応につきましても、各所管課が日頃より現場の状況を把握し、意見交換を重ねてきたことにより、指定管理者や委託事業者と密接に連携して対応できたものと考えております。 今後につきましても、区民サービスのさらなる向上のため、民間事業者等が有するノウハウを積極的に活用するとともに、区職員が現場感覚を持ち続ける必要があるという御質問の趣旨も踏まえ、区としてしっかりと取り組んでまいります。   〔防災都市づくり部長松土民雄君登壇〕 ◎防災都市づくり部長(松土民雄君) 日暮里駅周辺の整備に関する御質問にお答えいたします。 まず、紅葉橋のバリアフリー化につきましては、エレベーターとともに、議会や地元商店会からの要望が挙がっている利便性向上のためのエスカレーター設置の可能性について、具体的な検討を行ってまいりました。その結果、道路内の地下埋設物の移設や道路線形等の大規模な見直しが必要であるものの、エレベーターとエスカレーターの設置は可能であることが分かってまいりました。 しかしながら、現在、JRがホームドアの設置工事を進めており、この工事との関係から、直ちに紅葉橋の工事を行うことは難しい状況であり、実現に向けては、さらにJR等の鉄道事業者をはじめ、交通管理者、道路管理者、道路占用企業者との幅広い協議が必要であることや、工事費が膨大となることなどの課題がございます。 したがいまして、これらの課題を解決するために、関係機関と連携しながら協議を進めるとともに、補助金の確保につきましても、国や都に働きかけてまいります。 次に、中層スラブの活用につきましては、この間、関係各所とともに調査を進めてまいりました。しかしながら、先ほど御質問にもありましたとおり、この構造物が駅の総合改善事業により高架の構造を補強するために設置されたものであり、国庫補助金を受けていることから、鉄道関連の用途以外に活用することは難しいものであると再度確認しております。 また、中層スラブは、人が立ち入ることを想定しておらず、利用できるようにするためには安全性の調査や対策を施す必要があることや、さらに下御隠殿橋と中層スラブとの間には空間があり、これらをつなぐ橋を設置するには多額の経費が必要であることが分かりました。 このように解決する課題が多くありますが、この中層スラブの活用につきましては、今後も調査研究を重ねてまいります。 ○議長(菅谷元昭君) 清水啓史議員の質問を終わります。 三番夏目亜季議員。   〔夏目亜季君登壇〕 ◆三番(夏目亜季君) 本日はこのようなお時間をくださり、ありがとうございます。 次世代あらかわを代表して、夏目亜季より一般質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず、新型コロナウイルスワクチンの対応について、五点お聞きしたいと思います。 二〇二〇年一月上旬に国内で新型コロナウイルスが発見されてから約一年半が経過しました。いまだに収束することなく、何度も緊急事態宣言が発令され、収まってはぶり返すなど厳しい状況が続いている中で、やっとワクチン接種が開始されました。 早い自治体では、若い世代の方でももう接種が終わったという話も聞いており、収束の鍵と言われているワクチン接種がスムーズにいっている諸外国なども、外ではマスクをしないなど徐々にですが、コロナ前までの生活に戻ってきているような、うれしいニュースも聞いたりします。 そこで、日本では、薬やワクチンに対して警戒観念が強い方が多くいるのが事実としてあり、今、ユーチューブやSNSを開くと、若い人を中心にワクチンに対するデマ情報が蔓延しています。 実際に先日新型コロナワクチンについての勉強会に参加したときに、講師で来てくださった薬剤師さんも、不妊になる、ワクチンを接種したら五年後に死ぬ、ワクチンを接種すると5Gに接続される、ワクチンには思考を奪い取るマイクロチップが入っている、ワクチンを推奨する人は製薬会社からお金をもらっているといううわさ話があると取り上げていました。これまでそういったいわゆる陰謀論にはまらないような人でも信じている方が多くいらっしゃいます。 新たに最近では、先ほど申した内容が記載されているチラシが各家庭のポストに投函されていたり、ネット上にもチラシのような画像で「ワクチンで死亡、私たちはモルモットではありません」、「顔面麻痺、全身けいれん、不妊症、最悪死亡!」といった、HPV副反応騒動のときのような、実際に湿疹だらけの患者の顔の写真や、顔面麻痺の写真など衝撃的な写真とともにインパクトのあるメッセージが記載されています。 現在、高齢者や基礎疾患のある方、医療従事者や高齢者施設関係者など、比較的リスクも高く、関心の高い方たちは望んでワクチンを打ちたがる傾向にあると思いますが、これから若い世代は、特に自分自身が重症化しないこと、致死率が低いという観点からも、今後、HPVワクチンのように接種率が大幅にダウンしてしまうんじゃないかと懸念しております。 集団免疫を獲得するに当たり、接種率を六から九割ほどにしていかなければならないといった情報も出ている中で、先日の健康・危機管理対策調査特別委員会でも東山部長から、荒川区では七割以上の接種率を目指すといった答弁もありました。 若者の接種率は大きな鍵となっていると思います。正しく知った上での判断ではなく、間違った情報をうのみにして打たない選択をしてしまうことはとても残念に思います。現在、荒川区ではどのように広報していこうとお考えでしょうか。 例えば厚生労働省のホームページには、次のようにはっきりと明言されています。副反応に対して国内外で注意深く調査が行われていますが、ワクチン接種が原因で何らかの病気による死亡者が増えるという知見は得られていません。海外の調査によれば、接種を受けた方に流産は増えていません。接種後の死亡と接種を原因とする死亡は全く意味が異なります。接種後の死亡には、ワクチンとは無関係に発生するものを含むにもかかわらず、誤って接種を原因とする死亡としてSNSやビラなどに記載されている例がありますと記載されておりました。 荒川区でも若者がそういったことに惑わされないように、エビデンスに基づいた巷のデマに対する情報を医師など監修の下、一覧として載せたり、まとまって分かりやすく情報発信をすべきと思いますが、いかがでしょうか。 また、広報する中で大切なこととして、副反応で熱や倦怠感、筋肉痛、アナフィラキシーなどが起こり得るといったこと、また、そういった症状が若い方中心に出やすいということは既に広報されていると思いますが、高齢者の方など、熱が出るなんて知らなかったと薬局などに相談に行く方もおられるそうで、あまり副反応のこととか区民の方に伝わっていないからしっかり説明してほしいといった区民の意見もありました。 熱が出たりする場合があるなどの副反応についての広報の工夫もそうですし、各地域などで直接聞きに行けるような相談窓口が欲しいといった意見もありましたが、いかがでしょうか。各地域は難しいとしても、電話より直接会って話を聞いてほしい、不安だという声が実際にあります。ぜひ検討いただけませんでしょうか。 また、薬局などで接種後の副反応が出たときのために、発熱等を抑えるアセトアミノフェンの一般薬をお買い求めの方が多く、メーカーが品切れを起こしているという情報も入っており、接種会場などで欲しい方にカロナールなどは渡せないのかという区民の方の意見も頂戴しています。その点についてはどうお考えでしょうか。 また、外国で接種率向上のために行っていることで見た記事の内容では、アメリカ・オハイオ州のデワイン知事は、十二日、新型コロナウイルスのワクチンを接種した住民の中から抽せんで毎週一人におよそ一億一千万円を送る計画を発表し、ワクチン宝くじと言えるもので、五月二十六日から五週連続で行われていると言います。アメリカではワクチン接種のスピードが落ちているため、接種率向上のための様々な取組が行われています。 知事は、お金がもったいないという人もいるだろう、しかし、本当にもったいないのは守られるはずの命が失われることだと訴えているといった内容のことが掲載されていたり、フィリピンでは、ワクチン接種をためらう住民に新型コロナウイルスワクチンの接種を促そうと、抽せんで牛が当たるキャンペーンを考え、目標達成のためには戦略を考えなければならないと話していたり、大変ユニークな戦略を行っているところもありますが、荒川区でも、今までのようなスムーズなワクチン接種がいかなくなったときに、例えば荒川区にまつわる景品や粗品をプレゼントするなど、何か戦略は考えられていますでしょうか。 また、先日は、次世代あらかわ会派より教育長に緊急要望として、子どもの運動時のマスク着用に関して適切に指導をお願いしましたところ、現在は熱中症対策を優先してマスクを外して授業を行っているとのことで、要望をかなえていただき、大変ありがとうございました。 文部科学省によると、「体育の授業においてはマスクの着用は必要ありません。ただし、十分な身体的距離が取れない状況で、十分な呼吸ができなくなるリスク、熱中症になるリスクがない場合はマスクを着用しましょう」と記載がありました。 現在は熱中症を考慮して外されているかと思いますが、夏が明けた場合、マスクの着用は戻るのでしょうか。走ったり、運動しながらのマスクは呼吸がつらいものと想像できますが、十分な距離が取れている場所や、授業内容によってはマスクを外すべきと考えますが、いかがでしょうか。 続いて、子ども食堂と子どもの居場所づくりについて二点お聞きしたいと思います。 コロナ禍において、子どもの居場所をつくる子ども食堂や無料学習支援塾などが十分な感染防止対策が取れないことなどを理由に、昨年二月から一年間で、埼玉県内では三十か所近くが閉鎖しているなど、コロナの影響をもろに受けているという情報を見ました。子ども食堂などの継続自体が難しかったりする状況から、子どもの居場所がなくなり、ますます子どもが孤立する状況も見られると懸念する声も上がっています。荒川区でもコロナ禍において、何か影響があったことがあれば教えてください。 また、六月一日より大阪府豊中市では、豊中のまち全体が子どもの居場所になるまちづくりを推進するため、地域における子ども食堂や無料・低額の学習支援等の多様な子どもの居場所づくりを充実する目的に、定期的な開催や食材等の提供を通じて、支援を必要とする子ども・家庭への見守り等を行う団体に対して補助金を交付しています。 荒川区でも従来から、あらかわ子ども応援ネットワークとして、区、民間、それぞれ協力し合って居場所づくりをされていること、高く評価させていただきます。 あらかわ子ども応援ネットワークのチラシにも、応援したい人が応援できるよう「寄附で応援」、「食材で応援」、「参加で応援」と記載されており、口座や送り先などが明記されておりました。 そこで、さらなる支援の拡大の提案といたしまして、荒川区でも豊中市の「いこっと」のような取組をすることはできますでしょうか。 「いこっと」とは、豊中市のこども政策課委託事業の一つで、豊中市のホームページから飛べる仕組みとなっており、オープンに寄附や食材など応援してくれるサポーターの方を募ったり、サポーター団体や個人をホームページに載せていることで幅広く応援してくださる方を募ることができ、ネットに記載されていることから、気軽に閲覧し、応援できる仕組みとなっております。コロナ禍で困っている方も多いので、幅広く支援をいただく手段の一つとしてぜひとも検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 最後に、生理の貧困について、二点質問したいと思います。 最近では、経済的な理由などから生理用品を入手することが困難な状態にある学生が増えています。日本でも学生の五人に一人が生理用品の入手が困難であると生理の貧困が広がっております。これは制度や法律を変えるほど大きな問題となっており、ツイッターなどのSNSでも、「#みんなの生理」とつぶやいている方の内容の中に、生理用品を買えない、節約のため長時間つけっ放しにしているといった声や、当事者からの意見としても、生理用品が軽減税率の対象になっておらず、経済負担が大きいので、朝食か生理用品を買うかで悩んでいる、個人的な問題としてあまり政治の世界でも取り上げてこられなかった生理についての話を社会問題として考えてほしいという意見が多数寄せられていました。 生理用品を購入できない、入手できないという状況は、「生理の貧困」と呼ばれており、社会全体で解決していこうという動きが諸外国からも広がり始めており、経済的な貧しさや格差の問題だけでなく、女性全体に関わる不平等として捉えるべきだとの声も挙がっています。 そういった声を東京都内でも拾っている自治体として、足立区や豊島区、多摩市などは役所の窓口で無料配布などを始めております。 そして、荒川区でも、令和三年三月二十六日より区役所の子育て支援課での配布や、アクト21、がん予防健康センターで無料配布を行っております。とてもすばらしい取組だと思っております。こちらは、どれぐらいの人数の方が受け取りに来られたのでしょうか。年齢層も分かりましたら教えてください。「なくなり次第」とホームページに記載がありましたが、現在はどれくらい残っているのでしょうか。 また、東京都では、今年九月より、東京都教育委員会の広報担当によると、対象は全ての都立高校や中高一貫校、特別支援学校など二百五十校、つまり全ての都立学校の女子トイレに生理用品を配置する方針を明らかにしております。一歩前進したと大変うれしく思っておりますが、荒川区でもこのような動きに伴い、小中学校やスポーツジム、ゆいの森あらかわ、ふれあい館など、区の施設の女子トイレに生理用品を設置してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 以上、多岐にわたる質疑をしましたが、これからもよりよい荒川区にするために、ぜひとも前向きな御答弁をお願いします。 以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。   〔新型コロナワクチン調整担当部長東山忠史君登壇〕 ◎新型コロナワクチン調整担当部長(東山忠史君) 新型コロナウイルスワクチンに関する御質問にお答えいたします。 これまで区では、区報をはじめ、区営掲示板や特設ホームページ、SNS、ケーブルテレビ、ユーチューブなど様々な媒体を活用して、接種に関する情報を分かりやすい形で発信してまいりました。 一方、SNS等においては、誤解を招くおそれのある誤った情報を含めて様々な情報が発信されており、その結果、区民の方の中ではワクチン接種に対する誤解が生じている可能性を危惧しているところでございます。 ワクチン接種は、区民の皆様が正しい知識の下、メリット、デメリットを十分に理解した上で御判断いただくことが重要であることから、区といたしましては、引き続き様々な媒体を活用し、医師の監修の下、的確な情報発信に努めてまいります。 また、副反応についての相談窓口につきましては、都が総合的な副反応相談センターを設けるとともに、区におきましても、必要に応じて専門的な相談に対応しているところでございます。さらに、副反応が発生した場合につきましては、まずはかかりつけ医等を受診いただくことになってございます。 次に、ワクチン副反応への対応といたしましては、解熱剤は医師の処方を受けるなどにより各個人が飲み慣れたものを用意するものと認識しており、現状といたしましては、接種会場において区が特定の解熱剤を用意することは難しいものと考えてございます。 最後に、ワクチン接種率の向上につきましては、まずは接種できる体制の整備が重要であると考えております。そこで、区内各地区の常設会場に加え、接種スピードを加速化させるため、七月初旬からモデルナ社製ワクチンを使用した集団接種会場を新たに五か所追加で開設することといたしました。加えて、その開設時間につきましても、現在の十時から十六時を十九時まで三時間延長し、区民の接種できる機会を拡大することで接種率の向上を図ってまいりたいと考えてございます。 今後も、医師会をはじめ、関係機関との連携を強化し、区民の皆様にとって安心・安全な接種体制の整備に最善を尽くしてまいります。   〔教育委員会事務局教育部長三枝直樹君登壇〕 ◎教育委員会事務局教育部長(三枝直樹君) 学校における運動時のマスク着用に関する御質問にお答えいたします。 区ではこれまで、コロナ禍において各学校が教育活動を行う際は、マスクの着用、三密の回避、十分な換気など、国等のガイドラインに示されている感染症対策を徹底した上で、各校の状況に応じた適切な対応を行ってきたところでございます。 一方で、議員御指摘のとおり、マスク着用に関しましては、気温等が高いときや激しい運動時においては、マスクを着用することで熱中症や呼吸困難などへのリスクが高くなることが指摘されております。 国等のガイドラインでも、体育の授業においては感染防止対策を講じるとしつつも、マスクの着用は必要ないと示されており、既に定例校長会等で適切なマスクの使用について注意喚起を行い、各学校では子どもたちへの指導を徹底しているところでございます。 教育委員会といたしましては、今後もコロナウイルスの感染防止に万全を期すとともに、子どもたちのマスク着用につきましても、各学校で安全面に十分配慮した指導を行うよう、しっかりと取り組んでまいります。   〔子ども家庭部長青山敏郎君登壇〕 ◎子ども家庭部長(青山敏郎君) 子ども食堂・居場所づくりに関する御質問にお答えいたします。 平成二十七年に地域の方々により子ども食堂や居場所づくりが開始されて以来、区はこれまで支援を行い、十四か所にまで活動の輪が広がってきたところでございます。 昨年四月に発令された緊急事態宣言期間中は休止となりましたが、宣言解除後は、三密を回避するため、会場の広さに応じて実施時間を分散するあるいは会食形式を変更してお弁当の提供や食材配付に代えるなど、可能な限りの感染予防対策を講じながら、各団体の方々が運営を継続しております。また、オンラインでの交流や学習支援の試みも始まっており、それぞれの団体の方々が工夫しながら新たな活動を始めております。 区は、コロナ禍におけるこのような活動に対し、必要な経費に対する補助はもとより、感染予防対策の情報提供や衛生資材の配付などの支援を行ってまいりました。 現在もなお集まって大勢で一緒に食事をしたり、学習や交流することは難しい状況にありますが、コロナ禍の長期化により困窮や孤立が深刻化し、子どもへの支援や地域での居場所をつくることの重要性がより高まっていることから、子ども食堂や居場所づくりの活動が心のよりどころとして地域で果たす役割は大きいと考えており、引き続き支援に努めてまいります。 御提案のありました豊中市の例は、居場所づくりの支援や情報収集、発信、ネットワークの構築、活動の担い手の人材バンク、寄附獲得のためのポータルサイトの運営等、子どもの居場所づくりを総合的に推進するための仕組みと認識しております。 区内でも活動団体が中心となってあらかわ子ども応援ネットワークを立ち上げており、関係機関の連携の要として、地域に向けた情報発信や支援の呼びかけ、食材配付事業等を担っていただいております。 区といたしましては、今後も活動団体等の御意見をよく伺いながら、他自治体の事例等を研究し、一人でも多くの方に子どもたちのサポーターになっていただけるよう、子ども食堂・居場所づくり事業の推進に取り組んでまいります。   〔総務担当部長小林直彦君登壇〕 ◎総務担当部長(小林直彦君) 生理用品の配布に関する御質問にお答えいたします。 区では、長引くコロナ禍の中で、経済的に生理用品の購入が難しく、お困りの方々に対する緊急支援策として、防災備蓄物資を活用し、生理用品をお配りしております。 現在、アクト21、子育て支援課、がん予防健康づくりセンターの各窓口や、ひとり親家庭を対象としたフードパントリーに合わせて配布しているほか、全ての区立小中学校の保健室に配布し、その充実を図ったところでございます。 本年三月二十六日から開始したこの取組では、当初御用意した七百十七セットのうち、昨日までの実績で五百五十四セットを配布し、残りは百六十三セットとなっております。 窓口に受け取りに来られている方々につきましては、二十代から四十代が中心と認識しております。 取組に当たりましては、生理用品の購入が難しく必要としている方々に確実にお渡しするという観点に加え、配布時に各種相談窓口を記載した案内を同封し、必要な相談窓口におつなぎする取組を併せて実施していることから、窓口における配布としております。 また、今回の取組に併せまして、各区立小中学校において、保健室に常備していることについて、トイレ内での掲示を含め、校内で広く周知を図るなど、工夫を凝らしながら実施しているところでございます。 こうした趣旨を踏まえ、各区施設のトイレ内への配置は想定しておりませんが、経済的に困窮している方々に対する支援の在り方につきましては、今後も引き続き検討してまいります。 ○議長(菅谷元昭君) 夏目議員、一分三十秒です。 ◆三番(夏目亜季君) 自席から失礼いたします。 おおむね前向きな御答弁、ありがとうございました。 今後も関連する内容は引き続き本会議や委員会などで質疑、提案させていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(菅谷元昭君) 夏目亜季議員の質問を終わります。 二十三番藤澤志光議員。   〔藤澤志光君登壇〕 ◆二十三番(藤澤志光君) 自由民主の会の藤澤です。 新型コロナウイルス感染症の収束について伺います。 昨年三月十三日に成立した新型コロナウイルス対策特別措置法に基づき、三度にわたり緊急事態宣言が発令され、国民に負担と協力を求めてきました。 あと一か月後の七月二十三日、オリンピックの開会式を控えて、政府・自治体が対策を進め、ようやく収束の兆しが見えてきました。 この間、経済活動の停滞により多くの打撃を受けた業界・産業は数多くありますが、荒川区民の経済的損失はどれほどのものか伺います。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の完全な収束は望みようがないと思います。ウィズコロナで変わってしまった生活の中、荒川区でも損失を回復して、新たな地域社会を創設しなくてはなりません。区はどのような戦略を立てているのか、まず伺います。 次に、新型コロナウイルスについて。新型コロナウイルスパンデミックになってから一年半になります。この間、日本の感染症の研究者、研究機関、医療従事者はもとより、WHOをはじめ、世界中で収束を図ろうと尽力しています。 アメリカでは、今年五月二十三日、米紙ウォールストリート・ジャーナルは、これまで公表されていなかったアメリカの情報機関の報告書を引用して、中国がパンデミックの感染拡大を公表する数か月前の二〇一九年十一月、武漢研究所に所属する研究者三人が病院での治療が必要になるほどの体調不良を訴えていたと報じております。バイデン大統領も五月末には九十日以内に再調査して結論を出すように指示しています。 米アレルギー感染症研究所のファウチ所長も、昨年二月には自然由来のウイルスだと証言したのを手のひらを返して、人為的につくられたウイルスの可能性があると証言している有様です。 さて、新型コロナウイルス感染症は、日本国内では一年半近く過ぎてもエビデンスに基づく確たる感染経路も示さずに、マスコミを通じて、いまだにただただ不安をあおり立てております。 国内感染者は七十八万人、死者は一万四千三百人との報道がされています。しかしながら、七十八万人は陽性者数であり、PCR検査でウイルスが五個以上付着している人数で症状が全く出ていない人も含まれた人数であります。これが罹患した感染者だという人数ではありません。死者数も厳密な死亡原因を問わずに報告するように厚生労働省から通達が出ております。 厚生労働省のデータで人口動態統計がありますが、これは医師の死亡診断書に基づいた統計ですが、最新の令和二年十一月末までの統計によりますと、新型コロナウイルスによる死亡者は累計で二千七十四人で、前年同時期の令和元年十一月末までのインフルエンザによる累計死亡者数三千三百十七人よりも千人以上少ないものです。 また、次の世代に正確なデータを残すために、厚生労働省が補助金を出して、COVID─19対策ECMOnet、これは日本集中治療医学会、日本救急学会、日本呼吸療法医学会等が参加している団体でありますが、ここに重症患者状況を調べさせております。 ECMOnetは、日本全国六百以上の施設が参加し、その施設のICUベッド数は六千五百に上っています。これは日本全体のICUベッド数の八〇パーセントをカバーするものであります。 マスコミでは、二〇二一年五月十二日現在、死亡者は一万九百三十一人と報道しておりますが、死亡後にPCR検査陽性者は全てコロナで死亡とされているからであります。 ECMOnetによると、新型コロナウイルスの累積死亡例は一年三か月で九百六例になるので、全体の八〇パーセントの数でありますから、八〇パーセントで割り返すと、千二百例ぐらいにしかなりません。マスコミの報道は単に恐怖をあおり立てているだけで、国民にそうした中で恐怖に駆られる行動を取らせるような形になっておるわけでありますから、この実態はどうなっているのか。特に荒川区では、五月末で荒川区民の感染者数、これは陽性者数ではなくて、実際に出た患者数と重症者数、そして死亡者数、死後陽性が確認された数は除いてどうなっているのか、それぞれ一万人当たり何人になるか、ほかの例と比較衡量するためにお答えをいただきたいと思います。 さて、新型コロナウイルスのワクチン治療薬について、抗がん剤は治療薬として重大な副作用があります。しかし、放置すれば死に至る病だから、医師も患者も重篤な副作用を知っていて、それに耐えて使用しています。ワクチンは健康な人に接種する予防薬であります。したがって、抗体をつくるために、軽微な副反応があっても、重篤な症状が出ることは決して許される、そんなものではないはずです。もしその可能性があれば、事前に受診者に告知されなくてはならないはずです。 ファイザーから出しているコロナワクチンの治験臨床情報によりますと、二〇二一年六月時点で研究計画書は、治験終了予定日は二〇二三年、来年の五月二日になっております。したがって、現在ワクチンを打っている方はほとんどの人が治験参加者になっているはずであります。治験中でありますが、緊急事態宣言を理由に治験を終えていないワクチンを国民に知らせることなくこっそり始めたといっても差し支えないような状態ではないかなというふうに思います。 研究計画書の中でも、有害事象及び重篤な有害事象については七ページにわたって書かれておりますが、その中で国民全体が知っておかなくてはならないのは、妊娠中、授乳中、職業上での暴露、すなちわ、暴露というのは、ウイルスを吸い込むあるいは皮膚につくなどの感染する前段階のことを称して言っているわけでございますが、これについて述べています。 ワクチンを接種すると、スパイクたんぱくが体内で生成され始め、この状態のワクチン接種者からウイルスを吸い込むか皮膚接触をすると有害事象が引き起こされるかもしれないので、暴露した場合にはすぐに報告してくださいとの記載があります。 妊娠中の暴露とはどういうことかといいますと、胎児へのリスクが及ばないようにルールが記されております。このセクションには、妊娠中に起こる環境暴露について、女性の家族または担当している医療関係者がワクチン接種者の吐いた空気を吸い込むか皮膚接触をした場合、女性に暴露させてしまう。同様に、男性の家族または担当している医療関係者がワクチン接種者の吐いた空気を吸い込むか皮膚接触した場合、女性パートナーに暴露させてしまう、このようなことが書いてあるわけですが、言わばワクチン接種者の呼吸と体液に周囲の人を感染する何か含まれているから、これを調べてもらいたい、こういうことだろうと思います。 そして、治験責任者はこれについて、妊婦さんに重篤な副作用が発生したか否かにかかわらず、治験責任者がこれに気づいた時点から二十四時間以内にファイザー・セーフティに妊婦さんが暴露したことを報告しなければならないと記載されているわけであります。 妊娠の異常な結果について、すなわち子宮外妊娠あるいは自然流産、子宮内胎児死亡、新生児死亡、先天性異常、こうしたものが計画書作成段階で予想されているので、このような記載がされているのではないかと思われます。 さて、JPモルガン・アセット・マネジメントによりますと、六月十一日に有効性に関する分析報告書が発表されています。対象になった十八か国では、欧米製ワクチンを使用している国では感染者数が激減したのに対し、中国製ワクチンを使用している国では感染者数が急増しています。 米ファイザー社、米モデルナ社、英アストラゼネカ社のワクチンを人口の四〇パーセント以上に接種したオランダ、英、スウェーデン、フランス、米、カナダ、イタリア、ドイツ、イスラエルでは、新規感染者数は大幅に減少しました。六〇パーセント以上接種したイスラエルでは、新規感染者数はゼロに近づいております。 しかし、残念なことに、イギリスでは六月になって新たに一日一万人を超える感染者が急増してきております。 また、アメリカでも、重篤な副反応が当初想定している三倍も出たので、一時、ワクチン接種を中止している状態です。 一方、中国の国営シノファーム製のワクチンを接種したセーシェル、ウルグアイ、モルディブ、バーレーン、アルゼンチン、チリ、アラブ首長国連邦、ハンガリー、ナミビアでは、接種後に減少したのはハンガリーのみであり、他の国では接種率の増加に伴い新規感染者数が急増しております。特にバーレーン、モルディブ、セーシェル、チリ、アルゼンチン等では感染拡大が深刻化しているという状態です。 WHOは、中国製ワクチンの不安が高まる中、今年五月に中国シノファーム製ワクチンに緊急使用許可を与えた後、六月一日にシノバック・バイオテックが開発したワクチンを承認しています。 WHOの基準では、緊急使用リストに含まれるワクチンは五〇パーセント以上の有効性があるとされております。WHOの戦略的諮問委員会は、シノファーム製ワクチンの有効性を七八・一パーセント、シノバックのワクチンの有効性を五〇パーセントから八四パーセントと評価しているのにこのありさまであります。 HIVを発見して、ノーベル生理学・医学賞を受賞したフランス人のジャック・モンタニエ博士は、今回ワクチンは接種すると逆に感染を拡大するので接種すべきではないと言っています。 ワクチン開発の懸念を示す言葉にADEというのがありますが、これはワクチンや過去の感染によって獲得した抗体がパンデミックによってまた新たに感染したとき、その抗体が免疫力にならずに、逆に感染を悪化させて重症化を引き起こす現象のことを言うのだそうですが、SARSのときも実はADEの可能性が判明したので、ワクチン開発を途中で中止をした、こういうことがあったようでございます。 厚生労働省は、ワクチンの危険性は分かりませんと実際には言っております。アビガンとレムデシビルは厚生労働省において、保険医療と併用治療を認めています。厚生労働省のホームページをたどってまいりますと、いろんな結果が出ておりますが、救急学会と集中医療学会は、アビガンを軽症患者に、レムデシビルは中等症、重症患者に弱く推奨しております。新型コロナの重症者七七パーセントにアビガンが投与され、七三パーセントで軽快、一六パーセントにECMOが施され、六四パーセントで軽快と、これは医学部長・病院長会議で報告されております。 一方、インドで起こった新型コロナの第二波のパンデミックは、感染者数累計二千九百八十万人、死者三十八万五千人となり、死者は一か月で十万人増になり、一日当たりで新規感染者が四十万人を数えておりましたが、WHOの指示どおりワクチン使用を進めた結果、全く改善がなく、イベルメクチンを使ったところ、新規感染者が六万六千人、これはピーク時の一七パーセントに当たるそうですが、患者、また、死者共に急減したということであります。 そこで、私は、質問通告にありますとおり、これらの治療薬について質問をさせていただきたいと思います。 このイベルメクチンはノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士によるもので、世界中で使われてきました。イベルメクチンも厚生労働省により二〇二〇五月十八日に適用外使用を認めています。今年三月十日には東京都医師会も推奨しています。 また、北里大学の花木秀明教授、これは大村智記念研究所感染制御研究センター長でありますが、インタビューに答えて、イベルメクチンは世界五十六か所で投与され、臨床試験で投与患者一万八千人であります。改善効果は、軽症治療で七八パーセント、予防で八五パーセント、死亡で七四パーセントも改善しています。 イベルメクチンは既に三十七億人に投与されており、今でも年間三億人に投与されているが、ほとんど副作用がありません。ファイザーのワクチンは日本では百六十人の治験で特例承認されています。副作用のほとんどないアビガン、イベルメクチン、レムデシビルは、実際には国内での使用が非常に難しい状態になっています。それぞれの区民が使用を希望したときは、どのようにしたら使えるのかどうかお伺いいたしたいと思います。 さて、最後に、マスク使用についてお伺いいたします。 マスク使用は、御存じのとおり、感染症にかかっている人が使用することで、せき・くしゃみによる飛沫感染を防止することができます。他人からの感染を予防するためのものではございません。他人に感染をさせないものであります。 今年二月に大阪で小学校五年生が体育の授業中、五分間走で、マスクが原因で死亡しました。高校生以下では、新型コロナでは一人も亡くなっていないにもかかわらず、マスクで死亡者が出たことは誠に残念であります。 通常、酸素の吸入は鼻呼吸によりますが、マスクをするとほとんどの人は口呼吸をしてしまいます。口は消化器官の一部であります。外気から取り込む酸素は二一パーセントありますが、呼吸で得た酸素の二〇パーセントは脳で消費されます。口呼吸によって酸素の吸入が減るのと、マスクから完全に排気されずに残っている空気の取り込みによって酸素量が減って、脳の活動が不十分になり、判断力の低下が起こり、無理を続けて酸欠、そして死亡につながったと思われます。 新型コロナに感染しない元気な人は本来マスクは要らないはずですが、日本のマスク社会では、当面はマスク利用が求められております。 これから熱中症を心配する季節になりますが、マスクの利用は熱中症のリスクを増幅することにもなるので、無意識に使っているマスクの利用について、酸素供給不足にならないように区民に注意喚起をすべきだというふうに考えておりますが、区はどのようにお考えでありますか。お答えを願いたいと思います。 以上で一回目の質問を終わります。   〔総務企画部長五味智子君登壇〕 ◎総務企画部長(五味智子君) 新型コロナウイルスに関する御質問にお答えいたします。 御質問の区民への経済的影響については、GDPや荒川区景況速報等を踏まえると、区内においても非常に厳しい状況にあると認識せざるを得ない状況にございます。 このような厳しい状況から回復し、アフターコロナを見据え、必要な手を今から打っていくことは重要であると考えてございます。そのため、ワクチンの早期接種を進めるとともに、コロナ禍によって打撃を受けた区民や事業者に対する施策の充実を図ることが重要と考えております。同時に、さらに健全な区財政の運営を図るとともに、新しい生活様式にも配慮した形で関係団体等への支援を行っていく必要があると考えております。   〔健康部長石原浩君登壇〕 ◎健康部長(石原浩君) 新型コロナウイルスの感染状況に関する御質問にお答えいたします。 五月末時点における荒川区民の感染者数は二千五百七十九人、うち有症状者数は二千百六十一人、死亡者数は二十二人で、うち死亡後に陽性が判明した方は二人となっています。 一万人当たりで計算すると、感染者は百十九人、有症状者は九十九人、死亡者は一人となります。重症者については、入院した医療機関所在地の保健所が患者対応を行うため、荒川区としてのデータはございません。 次に、新型コロナウイルスの治療薬に関する御質問にお答えいたします。 アビガンとイベルメクチンにつきましては、有効性が明確でないという理由で承認が下りておりませんが、今後の再審査の方向性や医師主導で治験を進めるなどの動きがあると聞いております。また、レムデシビルは日本で承認されている治療薬で、中等症患者にも投与できるようになったものと認識しております。 区といたしましては、国の動向を注視してまいります。 最後に、マスクの使用に関する御質問にお答えいたします。 年齢や生活の場面に合わせたマスクの着用や、これまで以上の水分補給などの熱中症対策についても、コロナ感染症対策と併せて関係部署と連携しながら、引き続き周知を進めてまいります。 ○議長(菅谷元昭君) 藤澤志光議員、残り三十秒です。 ◆二十三番(藤澤志光君) 結構です。 ○議長(菅谷元昭君) 藤澤志光議員の質問を終わります。 三十一番松田智子議員。   〔松田智子君登壇〕 ◆三十一番(松田智子君) 公明党の松田智子です。 六月本会議におきまして、大きく二点にわたり質問をいたします。関係理事者の皆様の積極的かつ前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。 まず初めに、SDGsの区の取組について四点お伺いたします。 私は、平成三十年六月本会議を皮切りに、SDGsについて区に提案、要望をしてまいりました。国連が定めた二〇三〇年までの達成目標十七の目標について、区はどのように取り組むのか問いました。また、令和元年二月本会議では、SDGs推進宣言をして、全庁挙げて取り組むべきと要望いたしました。 その後も特別委員会や本会議の場で様々な観点で質問を続けてまいりました。その結果、区報でSDGsを取り上げていただいたり、ABCカレッジでゼミのセミナーにSDGsを掲げ、担当課長が講師となり、職員への教育を行っていただいていると認識しております。 そして、本年三月に改定した令和三年度から五年度の荒川区実施計画の策定に際し、重要施策ごとにSDGsの十七の目標に割り振り、整理していただきました。全ての重要施策について、一つ一つSDGsに分析したこの作業は、職員の意識を向上することにつながったのではと感じます。携わった職員の皆様の御努力に心より感謝するとともに、高く評価させていただきます。 そこで、一つ目として、施策ごとに位置づけたSDGsの十七の目標に対し、区としてどのように取り組んだのか、毎年行う行政評価でしっかりと進捗の管理をしていっていただきたいと要望いたします。区の御見解をお伺いいたします。 二つ目として、SDGsのアイコンを使った区民へのPRについてお伺いいたします。 区民へのSDGsにおける意識向上策として、区が発行する刊行物やポスター、チラシなどにSDGsのアイコンを掲載し、SDGsに触れる機会を増やしていっていただき、PRに努めていただきたいと要望いたしますが、区の御見解をお伺いいたします。 三点目は、小中学校で具体的なSDGsに対する取組について伺います。 ある高校では、持続可能な開発のための目標・SDGsの十七項目を中心に、地球規模課題からテーマを設定して、幅広い教養と問題解決力の育成を図っています。 例えば、一年生は「貧困」、二年生は「戦争」、三年生は「国際社会」をテーマに、ゲームやグループディスカッションなどで学びを深めています。また、幼児や児童などの子どもと一緒に取り組めることもあります。 目標七の「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」では、電気の無駄遣いにもったいないかについて親子で話し合ったり、目標十二の「つくる責任つかう責任」では、文房具やおもちゃを必要以上に買ったり、まだ使えるのに捨ててしまったりすることがあれば改善するなど、また、目標六の「安全な水とトイレを世界中に」では、水は無限ではないこと、手を洗うときは水を出しっ放しにしないことから始めるなどです。 小中学校でSDGsの十七の目標の中から子どもたち自ら目標を選び、学び、実践していっていただきたいと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 四点目に、具体的なSDGsの区の取組として、環境清掃部で取り組んでいる各家庭から出る使用済み廃食油を回収し、バイオディーゼル化し、その活用を推進していくことを提案いたします。 二月の予算に関する特別委員会においても提案いたしましたが、コロナ禍で家庭での食事をする機会が増え、料理の後に残る廃食油のリサイクルとして回収、バイオディーゼル化し、そのエネルギーを利用してイルミネーションを展開していただきたいと思います。 廃食油を利用したバイオディーゼルの最大の特徴は、燃料を使用したときに排出される二酸化炭素(CO2)がゼロとみなされることです。 来春新装オープンするあらかわ遊園の樹木などを、このリサイクルした燃料を使用したイルミネーションで飾り、コロナの収束を願うとともに、SDGsの取組の「誰一人取り残さない荒川区」を区内外に大きくアピールする場としていくべきと思います。区の御見解をお伺いいたします。 先週、新聞紙上に次のことが掲載されていました。優れた施策を提案した自治体を国が選定する二〇二一年度の「SDGs未来都市」に東京都では今年度、墨田区と江戸川区が選ばれたと報道されていました。 墨田区の施策は、ものづくり産業とスタートアップ企業の連携、江戸川区は「海抜ゼロメートルのまちが目指す『SDGs=共生社会』先進都市」としての取組です。これらの内容を見ても、荒川区の施策は、墨田区、江戸川区のものと比べても引けを取らない対策を講じていると感じます。ぜひともこの自治体モデル事業「SDGs未来都市」に二〇二二年度、手を挙げて全庁的に取り組んでいただきたいと要望させていただきます。 続きまして、二項目目として、心と体の健康についてお伺いいたします。 一点目に、ケアラー・ヤングケアラー対策についてお伺いいたします。 昨年十一月本会議において、私はケアラーの支援策について要望いたしました。その結果、今年の四月に策定された第八期荒川区高齢者プランにおいて、「在宅生活を支える安全・安心のためのセーフティネット」の中で、高齢者や介護者(ケアラー)を取り巻く地域課題、八〇五〇問題、孤独死など、介護者への支援と題し、ケアラーについて次のように明記していただきました。 ケアラーとは、介護や看護、療養が必要な家族や近親者等の生活を支援する人のことを指します。支援の対象となる方は、高齢者だけでなく、障がい者や難病患者、病児・障がい児、さらにはアルコールなどの依存症やひきこもりの方まで広範囲にわたります。 ケアラーが行う支援の内容は、身の回りの家事や力仕事、外出時の介助や付添い、感情面のサポートなど多岐にわたり、心身ともに負担がかかるだけでなく、自分の貴重な時間を費やさなければならないため、様々な問題が発生します。区では、前述の介護離職や八〇五〇問題とともに、ヤングケアラーを含むケアラーへの支援を進めていく必要があると認識しており、国や都の動向を注視しつつ、他自治体の状況等も参考にしながら、どのような支援が必要なのか把握を進め、地域でケアラーを支えていくための取組の具体化に向けた検討を進めていきます。 このような力強い内容で高齢者プランに「ケアラー」を追記していただき、高く評価いたします。 このことを踏まえ、ケアラー・ヤングケアラーの支援の取組として二つお伺いいたします。 一つ目として、昨年の国の調査結果を受け、区独自の定期的な実態調査を実施し、早急に支援の手を差し伸べていただきたいと要望いたします。 福祉先進国のイギリスでは、一九九三年、サセックス大学教授のソウル・ベッカーさんが世界で初めてヤングケアラーの存在を社会的な支援対象とするべきだとする論文を発表しました。 ソウル・ベッカー教授は、日本のヤングケアラーの支援について、現状は日々変化するので実態調査を複数回行い、実情を把握し、日本のヤングケアラーがどんな影響を受けているのかを徹底的に分析する必要があります。さらに、行政、教育、医療などの関係者が集まる横断的な検討委員会を開き、現場レベルの支援を議論していかなければならないと言われています。 北海道栗山町は、全国に先駆けて二〇一〇年からケアラー支援に力を入れてきました。普及啓発に向けたケアラー手帳の配布、介護度のようにケアラーの心身の状態などを把握するケアラーアセスメントシートの導入、ケアラーが気軽に集まって交流できるカフェも好評だそうです。十年間の集大成として、今年の三月十九日、ケアラー支援条例が制定されました。 このような先進的な事例を参考に、区としても支援をしていただきたいと思います。 そこで、一つ目として、区独自で定期的に実態調査を行い、ケアラーが必要としている支援を一刻も早く行うべきと思います。 そして、二つ目として、区の実態調査を基に、福祉部、子ども家庭部、教育委員会、健康部との横断的な連携による支援を強化していくべきと要望いたします。 以上二点について、区の御見解をお伺いいたします。 ソウル・ベッカー教授はレポートの最後にこのように述べています。 ヤングケアラーは同年代の子どもたちと比べて優れた能力を持っていることも調査で分かってきています。彼らは家族の介護を通して複数の作業を同時にこなす能力があります。相手が求めていることを察して行動することもできます。さらに、同年代と比べて精神年齢が高い傾向にあることも分かっています。ネガティブなイメージを抱くだけでなく、彼らの優れた面にも目を向けていくことがとても大事です。改めてケアラー、ヤングケアラーに寄り添い、支援をしていただきたいと要望いたします。 続きまして、心と体の健康の二点目として、社会的孤立防止対策についてお伺いいたします。 私ども公明党は、本年二月、社会的孤立防止対策本部を立ち上げました。コロナ禍で顕在化・深刻化する社会的孤立、それに対する防止策の抜本的な強化に向け、現場の声を積極的に聞き取ることとなりました。そして、今年の四月、全国の公明党の地方議員が各地域でヒアリング調査を展開してまいりました。私ども公明党荒川区議会議員団も社会的孤立をめぐる様々な課題に関わっておられる団体の方々にお会いし、お話を伺ってまいりました。 これら公明党が全国で行ったヒアリング調査の結果を取りまとめ、五月二十一日、政府に対し、「誰も孤立させない、ひとりぼっちをつくらないための提言」を菅総理に手渡しました。 本日は、今回のヒアリングで浮き彫りになった課題や要望について二点提案させていただきます。 一つ目として、実態調査と電話やSNS等での相談窓口の設置を提案いたします。 社会的孤立といっても、様々な要因があります。例えば高齢、障がい、生活困窮などです。また、孤立している当事者はSOSを出せず、外部から見えにくい状態に陥っています。そこで、社会的孤立となっている状況の実態を調査し、荒川区の孤独や孤立に陥っている現状を把握し、支援につなげていっていただきたいと思います。 私ども公明党区議団は以前から、八十代の親が五十代のひきこもりの子どもの世話をする八〇五〇問題や、介護と育児を同時に担うダブルケアなどの社会問題について、区へ要望、提案してまいりました。 社会問題となっている孤独・孤立対策は複合的な相談内容となり、関係部署が横断しています。制度も複雑で、支援にたどり着くまで各部署をたらい回しに遭うなど、解決に結びつくことが難しいのが現状です。 そこで、社会的孤立の実態を調査し、そのことで悩んでいる人たちが相談しやすい体制をつくるため、電話やSNS等を利用した相談窓口を設置していただきたいと思います。区の御見解をお伺いいたします。 二つ目として、支援に携わっている団体への財政支援と人的支援を提案いたします。 前述でも申し上げましたが、私ども公明党区議団は、区内の社会的孤独・孤立対策に携わっている団体へヒアリング調査をしてまいりました。アルコール依存症からの回復を支援しているある団体は、入所から三年を目安に自立を促します。管理している職員の方は主に当事者の方で、経験者としての自立までのノウハウを持つことが大きな武器となっているようです。しかしながら、職員の成り手探しには苦労しており、人材育成や待遇面などで行政の支援が必要であるとのことでした。 また、多世代での交流に力を入れている団体は、子どもと高齢者、子育て世代、働き盛りの青年から中高年世代など、支援制度が縦割りであることから、横断的な支援が受けられず、結果的にボランティアに頼らざるを得ず、今後将来的に継続していくことが難しい現状とのことでした。補助金の使い方など、柔軟に使えるようにしていただきたいとの声を伺いました。 荒川区には、福祉関係のNPO民間団体が五十五団体あります。これらの団体の出発点はボランティアでありますが、日常活動のほかに、補助金申請のときなどの書類作成や管理、問合せなどに対応するためには、専門的な知識が必要となってまいります。区として専門職を置くなどして、財政支援、人的支援をしていっていただきたいと思います。 例えば、現在、様々なボランティア活動の窓口になっている社会福祉協議会に専門の事務員を配置してはと思います。都内の墨田区や板橋区では、社会福祉協議会に専門職を置き、窓口業務を行っており、大変喜ばれているとのことです。 社会的問題を抱えている限りの支援に携わる団体に対し、財政支援と人的支援をするべきと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 以上で質問を終わります。   〔教育長高梨博和君登壇〕 ◎教育長(高梨博和君) 小中学校におけるSDGsの取組に関する御質問にお答えいたします。 荒川区教育委員会では、本年二月に「荒川区学校教育ビジョン 学びの推進プラン第二期」を策定し、SDGsに対する子どもたちの感覚を高め、新学習指導要領で掲げられている持続可能な社会のつくり手を育成していくことを目指しているところでございます。そのためには、SDGsについて、発達段階に応じて子どもたちが継続的、系統的に学ぶことが重要であると考えてございます。 SDGsに関する学習を例としてお示しいたしますと、小学校第六学年社会科の教科書に、SDGsの目標の一つである「貧困をなくそう」が取り上げられており、目標の意味や具体的なゴールについて、子どもたちが自ら調べ、自分にできることを考えているところでございます。 また、中学校におきましても、公民の最終単元でSDGsの十七の目標のうち、地球規模の課題を解決していく上で優先度が高いと思われる目標について、生徒自身で選択し、調べ、自分たちにできることを考え、友達と議論することを通して、主体的に実践する力を身につけられるように指導してございます。 このように、小中学生がSDGsに対する具体的な取組を行うことは、未来社会を担う子どもたちにとって必要不可欠であると認識してございます。 教育委員会といたしましては、このたびの議員からの御提案を踏まえ、子どもたちが持続可能な社会のつくり手として、SDGsの掲げた目標に向かって自ら主体的に取り組んでいけるよう、今後とも教育の充実に取り組んでまいります。   〔総務企画部長五味智子君登壇〕 ◎総務企画部長(五味智子君) SDGsに関する御質問のうち、十七の目標と区の施策に関する御質問にお答えいたします。 議員の御質問にございましたように、区では、昨年度の実施計画の改定に当たり、SDGsと区が基本構想で掲げる将来像「幸福実感都市あらかわ」の目指すべき方向性が重なるとの認識の下、計画に記載している重要施策とそれらに対応するSDGsの十七の目標との整理を行ったところでございます。 関係性の濃淡はございましたが、重要施策一つに対し複数の目標を当てはめるなど、延べ百四十九の目標と区の施策を結びつけたところでございます。 今後は、実施計画に位置づけたそれぞれの施策を着実に推進していくことが関連するSDGsの目標の達成に向け、寄与することと考えております。 SDGsは、必ずしも地方自治体の施策に収まらないものもあり、難しい側面もございますが、各施策のさらなる推進のため、改めて現在定めている指標や数値目標をSDGsの考え方を踏まえて点検し、バージョンアップしていくことは必要な視点であると考えており、今後検討を重ねてまいります。 次に、SDGsに関する御質問のうち、区民へのPRに関する御質問にお答えいたします。 SDGsを広く浸透させるためには、国や地方自治体だけではなく、区民や企業などを巻き込んだ取組が不可欠であります。その際、区民等にとって身近である区の事業を通し、SDGsの考え方や十七の目標を理解していただくことは有効と考えております。 今後、議員の御提案である刊行物等を活用することを含め、区の事業を通じたPRの工夫を行ってまいります。   〔環境清掃部長池田洋子君登壇〕 ◎環境清掃部長(池田洋子君) 廃食油のリサイクルの推進に関する御質問にお答えいたします。 廃食油は、清掃関連施設や区民事務所、ゆいの森あらかわなど七か所で回収しており、回収量は年間約九百キログラムとなっています。回収した廃食油はバイオディーゼルとして再利用されているほか、リサイクルセンターの工房事業でキャンドル作りの材料に活用しています。 現在、各家庭では、新しい日常の中、食に関する関心も高まっており、脱炭素社会を目指す区として、燃料化した際にCO2排出量がゼロ換算となる廃食油について、さらに積極的に啓発を進める必要があると考えます。 啓発に当たっては、御提案のイルミネーションも含め、廃食油由来の燃料を動力とした活用策の検討を重ね、さらなる開発、啓発、回収に努めてまいります。   〔福祉部長片岡孝君登壇〕 ◎福祉部長(片岡孝君) ケアラー対策に関する御質問にお答えいたします。 ケアラーの調査につきましては、日本ケアラー連盟が家族(世帯)を中心とした多様な介護者の実態と必要な支援に関する調査研究を行っており、各自治体においても、高齢者プラン等に関連した調査の中で介護者の状況をお聞きしています。 また、ヤングケアラーの実態調査につきましては、日本でも新潟県南魚沼市や神奈川県藤沢市などが行い、昨年度は国や埼玉県、栗山町などが実施しているところでございます。 こうした調査の結果を基にした対策で共通しているのは、ケアラー支援が必要だということを広く知ってもらうこと、支援が必要なケアラーを早く見つけて具体的な支援につなげること、そしてその支援は関係する機関や団体等が連携して行うことの三点でございます。 区では、今年度、ヤングケアラーについて、関係部署が集まり、意見交換等を始めたところでございます。 今後も国や都、他自治体の動向等も参考にしながら、子どもたちにヤングケアラーについて知ってもらうこと、声を上げてもらうこと、そしてどのように必要な支援につなげていくかについて検討を進めてまいります。 次に、孤立・孤独対策に関する御質問にお答えいたします。 国は、新型コロナウイルス感染拡大に伴って深刻化する孤独・孤立問題に省庁横断で対応するため、孤独・孤立対策担当室を立ち上げ、今年度は全国で二万人を抽出した実態調査などを実施するとしております。 ケアラーの孤独も課題になっておりますことから、区といたしましては、この調査結果やそれを踏まえた国の動向等を見据えながら、実態把握の方法を含め、対応を検討してまいります。 具体的には、昨年の改正社会福祉法等の趣旨に沿って、地域共生社会の実現に向けた取組の中で、断らない相談支援や相談しやすい窓口の在り方、伴走型・訪問型の支援、また、社会福祉協議会とも連携をしながら、御質問にありましたNPOやボランティア団体等への支援について検討を進めるなど、多様な社会参加が可能な地域づくり、支援が必要な方々を地域全体で支える仕組みづくりに引き続き取り組んでまいります。 ○議長(菅谷元昭君) 松田智子議員の質問を終わります。 六番北村綾子議員。   〔北村綾子君登壇〕 ◆六番(北村綾子君) 日本共産党の北村綾子です。 まず、児童・生徒のオリンピック・パラリンピック競技観戦について伺います。 この夏のオリパラは中止をして、あらゆる力をコロナ収束に集中するべきだと日本共産党は主張しています。命をリスクにさらしてまでオリンピックを開催しなければならない理由はありません。 パブリックビューイングは中止されました。では、子どもたちを動員してのオリパラ観戦はどうなのでしょう。 コロナ前に立てられた当初計画で、荒川区では幼稚園百八十九人、小学校九千八人、中学校三千二百七十五人の子どもたちと引率者、総数で一万三千四百四十三枚のチケットが用意されます。 昨日の五者協議会では、専門家が提言した無観客開催を無視して、観客上限一万人の開催を決めました。しかも、学校連携観戦は含まないとしています。納得いきません。 国がどうこう言う問題じゃないと無責任な立場を国は取っています。 また、東京都は組織委員会から送られていた「学校連携観戦チケットに係る今後の対応について」というキャンセル受付の案内の文書を区市町村に連絡せずにいたことが明らかになっています。荒川区も受け取っていないようです。 現場決定の機会を奪う対応です。荒川区は、子どもの命と健康を守る責任を果たしてください。児童・生徒のオリパラ観戦は行わないことを求めます。 本日、目黒区教育委員会は取りやめの決断をしたようです。荒川区の見解をお答えください。 次に、三十五人学級に伴う環境整備について伺います。 小学校の学級編制の標準を五年かけて計画的に四十人から三十五人に引き下げると法律が改正されました。中学校でも実現に向けて検討すると政府も表明しています。 約四十年ぶりの標準引下げは、これまで少人数学級を求めてきた保護者、学校現場から大いに歓迎されています。 区では、各課で準備を進めていると伺いました。教室確保に当たっては、教育環境を維持、改善する視点で検討していただきたいです。 また、現行の学校選択制度については、これまでも大型マンションの建設などで就学児童数が急激に増え、選択制度対象外となった学校もあります。現行の制度では、三十五人学級を安定的に運営するのは難しいのではないでしょうか。見解をお聞かせください。 最も重要なソフト面はどうでしょう。新規採用教員のスキルアップはもちろん大切ですが、教員を続けられる環境整備も大切です。 これまでも教員の厳しい勤務実態が指摘されています。後輩の教員が増えれば、先輩の負担が増えることは容易に想像がつきます。教員確保と働き続けやすい環境を整えることを求めます。お答えください。 次に、学校給食について伺います。 給食は子どもたちが最も楽しみにしている時間の一つです。みんなが楽しく給食を取る工夫が各校でされています。栄養士をはじめ調理師の方々、先生方、地域の食材の納入業者の皆さんも携わって、おいしい給食が提供されています。感謝いたします。 さて、荒川区では、幼保無償化に伴い、独自に該当年齢の子どもたちの給食費を無料にしました。保護者の要望に呼応したもので、健やかな成長を保障するためにも非常によい決断でした。 一方、義務教育である小学校、中学校の給食費は有料のままです。義務教育中の学費無料は、今では当然のことです。教科書も無料です。副教材や体操着など費用がかかることが大きな問題ですが、とりわけ食育が言われて久しい現在、給食費が有償のままというのは問題です。 学校給食法では、学校給食の普及充実及び学校における食育の推進を行うとしており、給食は教育の一環として位置づけられています。国が責任を持って無料にすべきで、申請しなくても全ての人が対象になる普遍主義に立った給食無料化こそが教育の一環としてふさわしいと考えます。しかしながら、残念ながらそれがなされない状況です。 そこで、子どもたちの成長を支えるために、教育の一環として位置づけるために、荒川区立小中学校で給食の無償化を求めます。お答えください。 私は、今年の国際女性デーの翌日、三月九日の予算に関する特別委員会で学校のトイレに生理用品を置くよう求めました。その後、区は、災害備蓄品を活用して、生理用品無料配布を始めました。七百十七セットを用意して現在も配布中です。先ほども答弁がありましたが、五月上旬には三百九十四セット、六月上旬には五百四十三セットが配布されていたので、一か月で約百五十セットが必要とされる方の元に届きました。生理の貧困解消に向けて前進しましたが、臨時的な災害備蓄品だけでは今年度不足することが想定されます。別途追加して、行政窓口での生理用品無料配布の継続を求めます。お答えください。 誰もが使うトイレットペーパーと同じように、生理用品は衛生を保つ上で必要不可欠なものです。生理の問題はタブー視されてきたゆえに表面化しづらい問題です。 保護者の認識不足、ネグレクト、貧困など、様々な理由で生理用品を買ってもらえない子どもたちがいます。学校に生理用品があれば助かる子どもたちがいます。あえて保健室に取りに行かなくてもトイレにあれば、誰の目に触れることもなく、安心して利用できます。急に生理が始まってしまった場合も助かります。 性教育が不十分で起こってしまうからかいから、多感な年齢の女子がトイレに生理用品を持っていくことを恥ずかしいと感じてしまうことがあります。今後、タブー視されないためにも、丁寧な性教育を行っていただきたいと併せて要望します。 国は、三月二十三日に地域女性活躍推進交付金の使途に生理用品無料配布を加えました。東京都も都立校で九月からトイレに生理用品を配置すると決めました。 子どもたちの健康と尊厳に関わる問題です。荒川区でも小中学校と区の施設のトイレに生理用品を常備することを改めて求めます。 意思決定機関に女性が少ないため、これまで語られることのなかった生理の貧困、ほかの議員からも同様の質問がありました。区民が求めています。前向きにお答えください。 この間、区立中学校、私立保育園で大きなコロナ感染がありました。ワクチンを打てるのは十二歳から、しかも接種はこれからです。特効薬もなく、デルタ株の広がりも心配される今、子どもたちはもちろん、保護者、地域住民の不安は続きます。利用施設で感染があればなおさらです。 現在、ゼロ歳から二歳児の保育料は有料です。感染が心配で保育園を休ませる場合、現状では保育料を支払わなければなりません。区が保育園の登園自粛要請をしない場合も、感染が心配で休ませる場合には、保育料を日割り減免することを求めます。お答えください。 また、学校でも感染が心配で休ませている場合があります。休んでいる子どもは、学校の友達、先生とこれまでのようにつながれずにいます。孤立に加え、学習の遅れも心配です。 荒川区では、いち早く一人一台のタブレットを用意しましたが、活用は学校に一任されています。昨日、オンライン学習など迅速かつ確実に実施すると方針が出されましたが、先生方はコロナ前から非常に忙しく限界です。週に一度もしくは二度、三時間訪れるICT支援員の派遣で現場は足りているのでしょうか。 区が責任を持って教員の過重負担を減らし、個人情報保護を前提にICTも活用し、心配休みの子どもたちへのつながりを配慮すること、積極的に学習保障をすることを求めます。 同時に、無線LANや5Gからの電磁波の影響について伺います。 タブレットは主に校内で利用しています。無線LANからの電磁波が与える影響を心配する声が出ています。 ICTの先進国では、電磁波の悪影響を考慮して、学校では有線LANを利用している地域もあります。また、5Gからの強力な電磁波も心配です。荒川区内の5G基地局設置状況を区は把握しているのでしょうか。無線LANや5Gから出る電磁波の影響について、調査研究を求めます。お答えください。 次に、区立中学校の校則についてお伺いします。 生徒の人権を尊重していない校則があると言われています。日本共産党の区議団はこれまでも、生徒の権利が守られ、尊重される学校づくりの促進を求めてきました。 私は、今年の三月に二〇二〇年度の荒川区立中学校十校の生活の決まりなどを調べました。各校に標準服があり、靴は一校以外に何らかの指定がありました。頭髪は、男子生徒には耳や襟にかからないように規定する学校が七校、ツーブロックなど一部刈上げがあるものは不可としている学校が四校、女子生徒には、眉が見えるようになどの規定がありました。さらにカバンにつけるチャームなどに関しても規定をする学校がありました。 衝撃だったのは、肌着・下着の色指定、着用を規定する校則があったことです。十校中六校に下着や肌着に関する規定がありました。色が白またはベージュ、無地に限られている、男子に限って色柄不可とする学校もありました。 人権の軽視が明らかな校則をこのままにしていいのか、生徒の人権を尊重するべきと調査をした三月の時点で教育委員会に申し上げました。結果、法律家からのアドバイスを受け、今年度から区内中学校の校則を大幅に改定したと聞きました。この間の「ブラック校則を許さない」という世論の高まりから、素早い校則の改正がされたのだと認識しています。 今回の校則改定に当たっては、教職員と保護者には事前に伝えたようですが、生徒の意見を聞く場はなかったとのことです。残念です。教育の一環として考えるのならば、校則の見直しの際には、生徒を含めた検討の場を設けることが必要ではないでしょうか。これは生徒手帳には書かれていない不文法の校則に準ずる決まり、例えば体育のとき、男子はジャージを着てはいけないとか、女子の髪形で編み込みは駄目などの決まりの改定についても同様です。 そもそも、子どもたちからおかしいと声があれば、その声に耳を傾けるべきです。どのような服装が、行動がふさわしいのか判断できるようにすることが教育のはずです。決まりを押しつけることではなく、自ら考え行動できるようにする自立を促すことが必要です。 教育委員会として、子どもの人権尊重とジェンダー平等に立った校則への指針を持つべきと考えますが、見解をお答えください。 昨年四月に国連の子どもの権利委員会で、新型コロナウイルス感染症に関する声明が出されました。子どもたちの文化・芸術活動を大切にすること、学びの保障、栄養ある食事を確保すること、子どもの意見を聞くことなど十一項目について提案されています。この声明を子どもたちに分かりやすく伝えるために、絵本を出版された方もいます。 子どもたちの声を聞き、権利を尊重すること、荒川区ではできていますか。 子どもの権利条例の実現に向けて前向きな答弁がありました。策定に当たっては、生きる、守られる、参加するなど、子どもの権利条約の理念にのっとった内容にすることを求めます。子どもの参加が大前提です。分かりやすくする工夫も必要なのではないでしょうか。お答えください。 以上で一回目の質問は終わります。   〔教育委員会事務局教育部長三枝直樹君登壇〕 ◎教育委員会事務局教育部長(三枝直樹君) 初めに、児童・生徒のオリンピック・パラリンピック観戦に関する御質問にお答えいたします。 東京都が実施する学校連携観戦への参加は、子どもたちにとって生涯の思い出となる貴重な機会であると考えており、それぞれの学校では、これまでに観戦上のマナーや競技のルール等の事前学習を行ってまいりました。 一方、コロナ禍の収束が見通せない中にあって、観戦の実施に当たっては、コロナウイルスの感染予防に加え、熱中症対策や引率者の確保、会場への移動手段として公共交通機関を指定されているなどの課題がございますが、現時点におきましては、東京都教育委員会から本事業の実施等に関する詳細な情報が示されていない状況でございます。 区教育委員会といたしましては、今後示される都からの具体的な情報について、その内容を精査、検討するとともに、新型コロナウイルスの感染状況を十分考慮した上で、学校連携観戦の実施の可否等について適切に判断してまいります。 次に、三十五人学級に伴う環境整備に関する御質問にお答えいたします。 区では、既に東京都の学級編制基準に基づき、小学一・二年生について三十五人学級編制を実施しており、今年度までについては、国の三十五人学級導入に伴う大きな影響はございません。また、学校選択制度も同様に、現時点で三十五人学級を基準に募集枠を設定していることから、新たな対応をする必要はないものと考えております。したがいまして、特に対応が必要となるのは、小学三年生から順次三十五人学級へと移行される令和四年度以降になるものと認識しております。 まず、教室の確保につきましては、適切に入学予定者数等の推計を行うとともに、現在教室として使用していない部屋等を普通教室に改修するなど、計画的に教室整備を図ってまいります。 教員の確保につきましては、任命権者である東京都教育委員会が本区小学校の学級数に応じた必要な教員数を確保するほか、区といたしましても、独自の研修等により教員の質の向上を図ってまいります。 労働環境につきましても、既に教員の働き方改革の取組を進める中で、教員の負担軽減に努めているところでございます。 教育委員会といたしましては、今後も引き続き三十五人学級の影響を十分に見極めながら適切に対応してまいります。 次に、学校給食費に関する御質問にお答えいたします。 学校給食費は、学校給食法により給食を受ける児童または生徒の保護者が負担することとされており、給食に使用する食材に係る費用につきましては、保護者に御負担いただいております。 学校給食の無料化につきましては、自治体独自の施策として実施するのではなく、国や都の施策として広域的に実施することが望ましいと考えており、教育委員会といたしましては、学校給食の無料化に関する国や都の動向を注視するとともに、引き続き学校給食の適切な運営に努めてまいります。 続きまして、生理の貧困解消に関する御質問のうち、児童・生徒への教育についてお答えいたします。 生理の貧困解消に向けた学校としての取組においては、生理用品の配布と併せて児童・生徒の生理に対する正しい理解が重要であると認識しており、教育委員会といたしましては、児童・生徒が学校の保健室で配布される生理用品を安心して活用できる環境を醸成すべく、改めて性に関する教育や相手を大切にし、他者を思いやる気持ちの育成に努めてまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症が心配で休まざるを得ない児童・生徒への対応といたしましては、昨年十一月にタブレットパソコンが一人一台体制となり、家への持ち帰りも行っていることから、従来行ってきた家庭への電話連絡や学校での放課後の課題の受渡しに加え、オンラインホームルームで、家にいても顔と顔を合わせて児童・生徒の心のつながりを保つよう取り組んでおり、さらにオンラインドリルコンテンツを活用したり、授業を家庭で視聴できるようにしたりするなど、学習の保障に各学校が工夫を凝らして取り組んでいるところでございます。 教育委員会といたしましては、今後もタブレットパソコン等を積極的に活用し、心のケアやつながり、学びの保障に努めてまいります。 次に、学校内で利用される無線LANや5Gの電磁波の影響に関する御質問にお答えいたします。 国は、電波防護指針を策定し、無線LANや5Gに使用されている電磁波が人体に有害な影響を及ぼさない基準値を示しております。 この指針は、WHOをはじめ国際的な機関からも安全性を認められており、学校で使用している無線LANの機器につきましてもこの基準を満たしたものになっております。したがいまして、現段階において、無線LAN等の電磁波の校内への影響について、区独自で調査研究することは考えておりません。 最後に、中学校の校則に関する質問にお答えいたします。 文部科学省の通知では、校則は服装、頭髪、校内外の生活に関する事項に係る規則だけでなく、学校がその特色を生かし、学校長の責任において創意工夫ある定め方ができることと示されております。 校則を定めることにおいては、子どもたちの人権を尊重することはもちろん、ジェンダー平等等の考えの下、性別による差別をなくし、多様性を認め、子どもたち一人一人が自分らしさを発揮できるように配慮していく必要がございます。 また、校則の内容は、生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているかなど、絶えず積極的に見直していくことも必要と考えます。 このような観点を踏まえて、区内全区立中学校では、校則の見直しを進め、今年度から適用しているところでございます。 教育委員会といたしましては、今後も引き続き学校と連携して、生徒や保護者をはじめ、様々な視点から校則について点検するとともに、必要な場合には校則の見直しを促すなど、子どもたちが主体的に考え、自らの個性や能力を十分に伸ばせるよう、各学校の取組を積極的に支援し、教育環境の充実に努めてまいります。   〔総務担当部長小林直彦君登壇〕 ◎総務担当部長(小林直彦君) 生理用品の配布に関する御質問にお答えいたします。 区では、長引くコロナ禍により経済的に生理用品の購入が難しくお困りの方々に対する緊急支援策として、防災備蓄物資を活用し、現在三か所の窓口に加え、フードパントリーにおいて生理用品を配布するとともに、全ての区立小中学校の保健室にも配布したところでございます。 取組に当たりましては、必要としている方々に確実にお渡しできるよう配慮するとともに、必要な相談窓口におつなぎする取組を併せて実施していることを踏まえ、現行の窓口等における配布としているところでございます。 また、各区立小中学校におきましては、トイレ内での掲示を含め、校内でより分かりやすい周知を図ったところでございます。 このように、真にお困りの方々に対してより効果的に配布する趣旨から、各区施設のトイレ内への配置による配布は想定しておりません。 また、今回の取組は、コロナ禍における緊急支援策の一環として実施しているものであり、経済的に困窮している方々に対する支援の在り方につきましては、今後も引き続き検討してまいります。   〔子ども家庭部長青山敏郎君登壇〕 ◎子ども家庭部長(青山敏郎君) 保育料の日割り減免に関する御質問にお答えいたします。 区ではこれまで、区内の感染者数の急速な拡大や、保育園等の臨時休園数の増加等を踏まえ、在宅保育が可能な世帯に対し、登園自粛を要請した際に理解と協力を得られるよう、併せて保育料の日割り減免を行ってまいりました。そのような登園自粛要請には、保護者の方からは、保育が必要な状況にもかかわらず保育園等が利用しづらくなるという御意見をいただくこともございました。 先般解除された緊急事態宣言中では、国から示された感染防止策を徹底して、保護者に登園自粛を求めずに保育園等を原則開所するようにとの方針を踏まえ、保育園利用時間の短縮など御家庭において可能な範囲での協力のお願いにとどめ、日割り減免を行わないこととしたところです。 御質問の保育園等を自主的に欠席している世帯への日割り減免は、子どもが在籍したまま登園しない世帯と保育園等に入園できなかった世帯とのバランスを考慮する必要があることなど、慎重に検討していく必要があると考えております。 区といたしましては、今後の国の緊急事態宣言に係る方針や感染拡大状況を踏まえ、保護者の不安払拭と感染拡大防止に努めてまいります。 次に、子どもの権利条例に関する御質問にお答えいたします。 子どもの権利については、平成二十八年の児童福祉法改正で、基本理念の中に子どもの権利に関する条文が明記され、子どもは保護の対象ではなく、権利の主体であることが明確化されたところでございます。 令和二年に区の児童相談所と一時保護所を開設し、令和五年には区内に児童養護施設が整備されることから、荒川区として児童虐待への対応はもとより、全ての子どもが適切に養育され、健やかな成長が保障される権利を守っていく必要があると認識しております。そのため、本年の予算に関する特別委員会で申し上げたとおり、子どもの権利条約や児童福祉法の理念を踏まえた上で、子どもの権利を担保する実効性のある仕組みをつくる必要があると考え、条例の制定に向けた準備を進めることとし、現在有識者からのヒアリングを始めているところでございます。 一方、国では、本年五月、子どもの権利擁護に関するワーキングチームによる検討結果が公表され、子どもの意見表明権を保障し、それを受け止める権利擁護の仕組みづくりなどが提唱されております。 区といたしましては、引き続き子どもの最善の利益が尊重されるよう、必要な対応に努めるとともに、国の動向等も注視しながら議論を重ねてまいります。 ○議長(菅谷元昭君) 北村綾子議員の質問を終わります。 以上で本日の質問は終わります。 以上をもちまして本日の日程は全部終了いたします。 お諮りいたします。本日はこれをもって散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(菅谷元昭君) 異議ないものと認め、そのように決定いたします。 次回の本会議は、明日午前十時から再開いたします。 本日はこれをもって散会いたします。誠にお疲れさまでした。           午後三時十三分散会...